NECは11月25日、日通総合研究所が受託した第2期の内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「スマート物流サービス(医薬品医療機器分野)」に参画し、2020年7月21日~8月28日の間、医療機器物流におけるトレーサビリティの確立とサプライチェーン全体の効率化に関する実証実験を共同で実施したと発表した。
同実証実験では、整形外科と循環器内科の物流において医療機器メーカーからディーラー、ディーラーから病院、さらには病院内での物流に関するデータを一元的に管理するデータ基盤を構築した。NECはデータ基盤構築にあたり、異なる事業者間のデータ流通を実現するネットワークサービスを活用して、各事業者間の出荷・入荷情報などの物流データをひもづけた。
データ基盤により各種データを一元化し、流通過程を可視化することで、トレーサビリティの確保、各流通段階における在庫の削減等のサプライチェーン全体の効率化、物流拠点の集約化・共同化、さらには共同配送の実現など効率的な物流システムの構築や運用に関する実証を行った。
同実証実験では、共同倉庫・共同配送による輸送効率化や、流通過程の可視化を通じた自社外の在庫の把握による在庫最適化により、輸送コストは最大50%削減、リードタイム(メーカー出荷から利用開始までの調達時間)は最大30%削減の効果があることを確認できたという。