微細加工レーザシステムメーカーである独3D-Micromac は、磁気センサ製造向け選択的レーザアニールシステム「microVEGA xMR」を発表した。
同システムは、オン・ザ・フライのスポットならびに可変レーザを装備することで、高いフレキシビリティと高スループットを実現しており、巨大磁気抵抗(GMR)センサならびにトンネル磁気抵抗(TMR)センサの製造に置いて、磁力方向、センサ位置、およびセンサ寸法を容易に調整することができるとしている。
TMR磁気センサのトップメーカーである米Crocus Technologyは、同社の米国工場に、すでに同システムを1台設置したとのことで、家電製品や産業用製品およびIoT製品に使用する同社のTMRセンサの生産に使用される予定だという。
microVEGA xMRの主要な特長は、以下のとおり
- 毎時最高50万個のセンサを生産可能な高スループット
- センサ品質を改善するレーザ照射面の優れたエネルギー均一性
- 最大300mmまでのウェハサイズに対応
- フレキシブルなレシピベースのプログラミングで、パルスエネルギー、センサ寸法、センサ間距離、磁力方向、磁束を含むすべてのパラメータを制御
- 装置精度:±5μm
- 磁場方向(配向)精度:±0.010°
- 消耗品や製品固有の部品が不要
同システムは、これまで磁気センサ製造に使用されてきたサーマルアニール法に比べていくつかの利点があるという。それらの利点により、1枚のウェハからより多くのデバイスが生産できるようになるほか、より小さな磁気デバイス構造を可能にするという。
また、オン・ザ・フライのスポットと可変レーザにより、所望の磁力方向を構成するために、各センサ内のピニング層を選択的に加熱することを可能にしている。
これらの技術を活用することで、プロセスステップを減らすことが可能となり、結果として生産フローが簡素化され、歩留りの向上および費用対効果の高いモノリシックセンサパッケージの生産が可能になるという。