アストロスケールは11月18日、スペースデブリ除去実証実験衛星「ELSA-d(End-of-Life Services by Astroscale - Demonstration)」を2021年3月に、 GK Launch Service社によりカザフスタンのバイコヌール基地よりソユーズロケットにて打ち上げることを発表した。

ELSA-dは、デブリとのランデブ技術ならびに磁石を活用した捕獲機構が組み込まれた捕獲衛星(サービサー、約175kg)と宇宙でのドッキングを可能にする磁性体を持つ金属板を搭載したデブリ模擬衛星(クライアント、約17kg)が重なった状態でロケットに搭載され打ち上げられる。

  • ELSA-d

    スペースデブリ除去実証衛星「ELSA-d(エルサディー)」。捕獲衛星(左)とデブリ模擬衛星(右)がセットとなっている (2020年7月、編集部撮影)

打ち上げ後は、複数回に及ぶ捕獲とリリースを通じて、接近(相対航法)、 診断(近傍制御・作業)、 捕獲(ランデブ・ドッキング)、 捕獲後の軌道変更まで、 デブリ除去に必要なコア技術を一連のシステムとして実施する予定となっており、中には、 姿勢制御を失ってデブリ化した衛星の状態を模擬するためにクライアントを意図的に回転させた上、 サービサーが見失った状態を作り出した後、 搭載センサーにより自律して捕獲まで実現可能であることの検証なども予定されているという。

なお、運用については、オックスフォードシャー州ハーウェルのSatellite Applications Catapultにある英国国立軌道上サービスオペレーションセンター(IOCC)を用いて、アストロスケールUKが担当するとしている。