ヤマハは11月18日、既に発売しているAmazon Web Services(AWS)版に加えて、ローカル仮想化プラットフォーム上で動作する、仮想ルーター「vRX」のVMware ESXi版ソフトウェアライセンスを2021年1月に販売開始すると発表した。
VMware ESXi版は、企業本社のサーバールームやデータセンター内の仮想マシンサーバー上でも仮想ルーター「vRX」の動作を実現する。
従来のハードウェア型ヤマハルーターと「vRX」を併用することで、オンプレミスとクラウドのネットワーク同士をヤマハルーターだけで接続でき、コマンド体系が共通しているため、過去の設定ノウハウを活かした構築が可能。
また、テレワークの導入で、在宅勤務者によるスマートフォンやPCからのリモートアクセスVPNの同時接続数が増加した場合、ハードウェアルーターを買い替えることなく、ライセンスを買い足すだけでVPN対地数を拡張することができる。なお、1台の仮想マシンサーバー上で複数の「vRX」を動作させることができる。
AWS版と同様に、基本ライセンスとVPNオプションライセンスの2種類があるほか、無料のトライアルライセンス(最大20日間)もある。
基本ライセンス(1年間、税別)は、上限速度が10M bit/sで16,500円、20M bit/sで20,000円、100M bit/sで62,000円、1G bit/sで300,000円などとなっている。
VPNオプションライセンス(税別)は、10対地が20,000円、100対地が188,000円、500対地が86万円、1000対地が156万円となっている。
同社では今後、他のクラウドサービスや仮想化プラットフォームへの対応を順次検討していくという。
来春にはWi-Fi6も
なお、11月13日の「ヤマハ・ネットワーク・イノベーション・フォーラム2020」(オンライン)の基調講演では、コミュニケーション事業部 MS部 マーケティングG 主幹平野尚志氏が登壇。
同氏はこの中で、VMware ESXi版の発表を予告。
「ローカル仮想環境でvRXが動くようになります。オンプレミス環境を仮想化していくときに、物理ルーターを仮想ルーターに代えていくことができるようになります。仮想ルーターによって、スケーラビリティが提供できるようになります」と語った。
また、YNOをオンライン販売開始すると語った。
「これまでは購入が1年単位など、ちょっと使うということが難しかった面がありますが、必要なときにすぐに使ええるようになります」(平野氏)
そのほか、Wi-Fi6対応の無線LAN APやマルチGIGA、10G対応のL3スイッチ、インテジェントL2スイッチ、PoEインジェクターも2021年の春にリリースする予定だと語った。
そのほか、セキュリティ製品では、これまでのFireWallに加え、高度な防御機能をもったUTMも準備しているという