GitHubは10月16日(米国時間)、「Standing up for developers: youtube-dl is back - The GitHub Blog」において、一旦停止していた「youtube-dl」を復活させたと伝えた。GitHubは、なぜyoutube-dlを停止することになったのか、停止した後になぜ復活させたのか、今後こうしたトラブルを防ぐためにどのように社内手順を変更したのか、さらに先の話として停止の原因となった法律そのものを改定する取り組みを進める必要があること、などを説明している。
経緯を簡単にまとめると、まずGitHubはyoutube-dlの削除要請を受理。通常、削除要請は著作権侵害を理由として行われることが多いのだが、youtube-dlの場合はデジタルミレニアム著作権法(MDCA: Digital Millennium Copyright Act)の第1201条に違反しているという、削除要請としては珍しい理由だ。GitHubは当然、法律を遵守する義務があり、以前から定められていた社内手順に従って対応を行い、youtube-dlの停止が行われた。
GitHubは後に、youtube-dlがデジタルミレニアム著作権法第1201条に違反していないことを示す新しい情報を受理し、削除の申し立ては法律違反を立証していないと判断。さらにメンテナが対応などを行ったことから、GitHubはyoutube-dlを復活させたと説明している。加えて、今回のインシデントを受け、デジタルミレニアム著作権法第1201条に基づく要請に関しての手順を変更し、今後こうした問題が発生しないようにするという。
GitHubは、youtube-dlにはアクセシビリティ再生速度の変更、人権闘争における証拠の保存、ジャーナリストのファクトチェック支援、クリエイティブコモンズライセンスやパブリックドメイン動画のダウンロードなど、多くの正当な目的があることについても言及している。