スパコンの性能ランキングを競う第56回目となるTop500は、前回と変わらず理研の「富岳スパコン」が1位となった。

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    理研に設置された富岳 (提供:理化学研究所)

2020年6月の第55回ランキング時には、富岳のCPUコアの数は7,299,072コアであったが、今回は、コア数が7,630,848に増え、それに応じてLINPACK性能も442PFlopsに向上している。

そして、混合精度で計算するHPL-AIベンチマークの演算性能は2.0ExaFlopsに向上した。HPL-AIベンチマークは、AI計算の性能を測定するものであり、この性能が前回の1.4ExaFlopsから2.0ExaFlopsに向上したことは実用上も大きなメリットがある。

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    富岳の中核をなす「A64FX」プロセサを2基搭載する基板 (編集部撮影)

Top500の第2位は米国のオークリッジ国立研究所の「Summitスパコン」で、LINPACK性能は148.6PFlopsで、富岳の1/3程度の性能である。3位はローレンスリバモア国立研究所の「Sierra」、4位は中国のNational Research Center of Parallel Computer Engineering & Technology (NRCPC)の「神威・太湖之光スパコン」である。

そして5位はNVIDIAの「Selene」である。前回のリストではSeleneは7位であったが、今回は規模を倍増して5位にランクアップしている。

今回、新たに7位にランクインしたのはドイツの「JUWELS Booster Module」である。このスパコンはSeleneと同様にAMDのEPYC CPUとNVIDIAのA100 GPUを使うスパコンで、LINPACK性能は44.1PFlopsとなっている。このスパコンはヨーロッパではトップのLINPACK性能のマシンである。

もう1つのTop10の新顔は、10位に入ったサウジアラビアの「Dammam-7」である。このスパコンはSaudi Aramcoのマシンで、石油探査用に使われると思われる。

電力効率を競うGreen500の方は、前回はプリファードネットワークス(PFN)の「MN-3」が1位となったが、今回はNVIDIAの「DGX Superpod」が26.195GFlops/Wでトップとなった。PFNのMN-3は最適化条件での測定を行ったが26.039GFlops/Wとわずかに及ばず2位となった。