ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ、ソニービジネスソリューション、ソニーモバイルコミュニケーションズは11月16日、フジテレビジョン、NTTドコモと共同で5Gを用いた通信サービスとクラウド上に構築した仮想中継システム(クラウド中継システム)を用いた遠隔制御による番組制作「CNG(クラウド・ニュース・ギャザリング)」の共同実証実験を同9日に実施し、遠隔でのライブ番組制作に成功したと明らかにした。

実証実験は、中継システムのクラウド化と5Gによる通信の大容量化・低遅延化で実現したものとなり、今回活用したクラウド中継システムは、報道を含むさまざまな映像制作用途を想定し、ソニーが開発を進めているシステムで、番組制作の実証実験は今回が初となる。

従来はハードウェアで制御していた映像のスイッチング、テロップの重畳、動画ファイル再生など、多様な映像処理をクラウド上で行うことができる。

  • CNG(クラウド・ニュース・ギャザリング)実証実験の構成図

    CNG(クラウド・ニュース・ギャザリング)実証実験の構成図

実証実験では、お台場地区の2か所の中継地点で撮影したニュース映像・音声をソニー製トランスミッター試作機でそれぞれエンコードし、ネットワーク環境に適した形に制御しながら5G対応スマートフォンXperiaに入力、ドコモの5Gを用いた通信サービスを介してクラウド中継システムに送信した。

フジテレビ本社からは、インターネット経由でクラウド中継システムを制御し、2地点からの映像・音声をリアルタイムで切り替えながら、検証用ライブ番組制作を実施した。

今回の実証実験の成功により、中継現場で映像をリアルタイムに切り替えて番組制作を行う中継車の役割を、クラウド上に構築できる可能性が広がり、場所を選ばず遠隔からの番組制作が可能とし、人員配置や設備構築の最適化に寄与できることを実証したという。