ソフトバンクは11月6日、JR九州および東邦電機工業と共同で、踏切設備の保守の効率化に向けて、踏切設備の作動ログを遠隔地から確認するシステムの実証実験を、2020年11月20日から2021年1月31日まで実施すると発表した。

同実証実験では、踏切制御装置や警報機、遮断機などの踏切設備の作動ログを取得できる東邦電機工業の情報メモリに、ソフトバンクのLPWA(Low Power Wide Area)通信モジュール「Type 1WG-SB」を搭載した通信デバイスを接続させて、4カ所の踏切設備に設置する。踏切設備の作動ログは、ソフトバンクのIoTプラットフォームに集約して、JR九州の管理者が遠隔で確認できるようにし、運用面における検証を行うとしている。

これまで踏切設備の管理者は、踏切設備に設置された情報メモリからトラブル発生時に通知されるアラートを受けて、対象の踏切設備がある現場へ行き、情報メモリにパソコンを接続して踏切設備の作動ログを確認していたという。そのため、現場で情報メモリにパソコンを接続するまでは、対象の踏切設備に具体的にどのような事象が発生していたのかを特定することができなかったとのこと。

そこで、同実証実験で活用するシステムにより、管理者はこれまで現場で作動ログを確認していた時と同じインタフェースで、遠隔地から時間などを指定して踏切設備の作動ログを確認することができるため、トラブル発生時の早期の原因特定と素早い対応につながることが期待できるとしている。

ソフトバンクと東邦電機工業は同システムを2021年度に商用化し、JR九州などの鉄道事業者へ導入する予定だ。