去る10月23日(米国時間)、GitHubはYouTubeの動画をダウンロードできるオープンソース・ソフトウェア(OSS)「youtube-dl」に関連するリポジトリを削除した。その後同社は10月30日、GitHub自身のDMCA通知リポジトリにおいて、DMCAポリシー違反で削除されたコンテンツを再投稿しないように呼びかける警告文を追加した。オリジナルのyoutube-dlリポジトリが削除された後に、多くのユーザーによって同リポジトリのフォークが投稿され続けたことが、この警告文の追加につながった。
youtube-dlリポジトリの削除は、米国レコード協会(RIAA)からの法的な要請に基づいて行われたもの。次の記事でも取り上げたように、GitHubでは、これをデジタルミレニアム著作権法(DMCA)違反の申し立てとして取り扱い、同社のDMCAポリシーに基づいて対応を行ったとしている。
このリポジトリの削除はOSSのコミュニティにおいて大きな話題になった。そして、RIAAによる申し立てやGitHubの対応に反発するユーザーなどによって、削除されたyoutube-dlのコンテンツが再びGitHubに投稿されるようになったという。GitHubでは、DMCAによる削除通知などを受け取った場合、それを公表するためのリポジトリが用意されている。
このDMCA通知リポジトリに対しても、第三者によってyoutube-dlのコンテンツが投稿される事態になった。
このような状況に対処するために、GitHubではDMCA通知リポジトリのREADMEファイルなどの一部を改定し、警告文を提示することになったようだ。そこには、「適切なプロセスを経ずに削除されたコンテンツを再投稿することが同社のDMCAポリシーと利用規約に反する」という旨の警告が記載されている。また、「利用規約に違反するコンテンツをDMCA通知リポジトリに投稿した場合には、アカウントへのアクセスも停止される場合がある」とも書かれている。
勘違いしてはいけないのは、GitHub自身はyoutube-dlに対してDMCAに違反するかどうかの裁定は下していないということだ。あくまでも正式な手続きに則って行われた申し立てに対して、原則となるDMCAポリシーに基づいて対応したにすぎない。この申し立てやGitHubの対応への異議申し立ては、適切なプロセスに則って行うことで初めて意味のあるものになると言えるだろう。