米国の高電圧電力変換IC専業のPower Integrations(PI)は、高電力密度でユニバーサル入力A/Dコンバータ用に「MinE-CAP IC」を発表した。

オフライン電源に必要な高電圧バルク電解コンデンサのサイズを半分にすることで、アダプタのサイズを最大40%小さくすることが可能だという。また、突入電流を低減することでNTCサーミスタを不要とし、システム効率の向上と発熱の抑制を実現したとする。

MinE-CAPは、同社独自のGaNトランジスタ技術による小型かつ低RDSonという特性を活用して、電圧条件に応じてバルクコンデンサネットワークを切断することを可能としている。そのため設計者は、出力リップル、動作効率、または変圧器の再設計を必要とすることなく、入力バルクコンデンサのサイズを縮小することが可能になるという。

従来の電力変換ソリューションでは、スイッチング周波数を上げて小型トランスを使用することで電源を小型化していたが、同製品を活用することで、より少ない部品数で高周波設計に伴うEMIの増加やトランス/クランプの損失増加という課題を回避しながら、全体的な電源サイズの縮小を実現することができるようになるという。

そのため同社では、電解コンデンサは物理的に大きく、内部容積の大部分を占め、アダプタ設計のフォームファクタオプション(特に厚さ)が制約されることがよくあるが同製品を使うことで、電圧に応じてコンポーネントの体積が縮小できるようになるとしている。

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    PIのA/Dコンバータ用製品「MinE-CAP IC」