韓国の英文ビジネスメディア「BusinessKorea」が、11月3日付けで、Samsung Electronicsが半導体製造装備(装置と設備)・部品メーカーに合計740億ウォンの投資を行ったと伝えている。同紙によれば、この投資は2020年7月下旬に行った1100億ウォンの投資に続く、2020年における2番目の規模となる主要な取引企業投資だという。
投資の内訳は、半導体製造装置メーカー「KCTech」に207億2000万ウォン、半導体装置向け部品メーカー「MicoCeramics」に216億7000万ウォン、半導体装置向け付帯設備メーカー「LOTVacuum」に189億9000万ウォン、半導体装置向け付帯設備メーカー「New Power Plasma」に127億ウォンとされている。
KCTechはSamsungにCMP装置を供給しており、荏原製作所やApplied Materialsの競合となっている。MicoCeramicsは、半導体製造プロセスでウェハを高温加熱するセラミックヒーターを製造する企業。LOTVacuumは、ドライ真空ポンプメーカー、New Power Plasmaは半導体製造装置の主要コンポーネントであるRFジェネレーターを独自開発している企業である。
Samsungからの投資を受けたこれらの4社は、Samsungとのパートナーシップを強化する一方、Samsungもこれらの4社の経営権の一部を確保する形で、自社の要求にただちに応じるサプライヤ育成を進めることとなる。こうした動きに対し、韓国の半導体産業関係者からは、「2019年の日本政府の対韓素材輸出規制により主要な半導体材料の韓国への輸出が中断して以来、Samsungは韓国内の素材・部品。装置産業のサプライチェーンを強化することに注力しており、国内でのエコシステムの完結を目指しているのだろう」との見方を示している。