シトリックス・システムズ・ジャパンは11月5日、Microsoft AzureからWindows仮想デスクトップおよび仮想アプリケーションを配信するDaaS (Desktop As Service)「Citrix Virtual Apps and Desktops Standard for Azure」 を国内で提供開始すると発表した。
セールスエンジニアリング本部エンタープライズ SE部部長の國分俊宏氏は、同ソリューションについて、「DaaSの良さと本格的なVDIの機能を兼ね備えたサービス」と述べた。
國分氏は同ソリューションの特徴として、「シトリックスの本格的なVDIを シンプルかつ手ごろな価格で利用可能」「自社のAzure環境の持ち込み可能」「月額・同時接続ライセンスに対応可能」の3点を挙げた。
シトリックスはこれまで仮想化ソリューションとして、「Citrix Virtual Apps & Desktops Service Premium」「同 Advanced Service」を提供してきたが、今回、Standard Serviceとして、同ソリューションが追加されたことになる。
國分氏は、Standard ServiceとService Premium/Advancedの違いについて、「Standard ServiceはAzure専用であり、唯一、月単位で利用できる仮想化ソリューション。機能を絞り込むことで、価格も絞り込んでいる。既存のAzure環境を活用できるのもメリットの1つ」と説明した。
同ソリューションは2つの構成によって導入できるが、仮想マシンをMicrosoft Azureに置く場合、現時点では展開先として日本は提供されていない。そのため、処理速度などを考慮すると、自社のMicrosoft Azure環境を利用する構成のほうが使い勝手がよいと言える。
同ソリューションはMicrosoft Azure対応ということで、説明会には、日本マイクロソフト パートナー技術統括本部クラウドソリューションアーキテクトの高添修氏も登壇した。
高添氏は、「デスクトップ仮想化ソリューションとして、Windows Virtual Desktopを持っているマイクロソフトから見た、Citrix Virtual Apps and Desktops Standard for Azureについて話したい」と語った。同氏は、Windows Virtual Desktopに対するCitrix Virtual Apps and Desktops Standard for Azureのアドバンテージとして、以下を挙げた。
- シンプルな管理ポータル
- イメージ管理を包含 (リンククローン)
- コスト削減に効く柔軟な電源管理
- 多様なコミュニケーションツールに対応
- 認証基盤を柔軟に選択
- リモート PC へのアクセス機能 (Tech Preview)
「管理ポータルは、正直なところ、悔しいくらいよくできている。また、Windows Virtual Desktopの場合、イメージ管理はIaaSで行うが、Citrix Virtual Apps and Desktops Standard for Azureではイメージ管理が包含されており、使わなくなると消える。そのため、Windows 10の定期更新の運用を効率よく行える。さらに、クラウドのコストに響く電源管理も優れている。AzureでもAPIなどで管理できるが、Citrix Virtual Apps and Desktops Standard for Azureでは、日本音商習慣に適した形で、管理画面が用意されているので、簡単に設定できる。コミュニケーションツールに関しても、われわれであれば、Microsoft Teamsを第一に推すことになるが、シトリックスであれば、中立的な立場で、他社のコミュニケーションツールの利用をサポートできる」(高添氏)