トレジャーデータは11月5日、2020年10月1日より新体制でビジネスを展開しており、今後は「APACへの進出」、「カスタマーサクセスの強化」、「人材育成ビジネスの展開」、「CDPのエコシステム拡充」を柱とした新たなビジネス戦略を展開すると発表した。
APACへの進出
同社が今後、最も注力するのは、アジア・太平洋地域(APAC)への進出で、日本マーケットで先行して培った強みをもとに、韓国やタイ、インドネシア等を新たなターゲットとして進出を加速していくという。
その背景について、10月1日に日本法人であるトレジャーデータ 社長執行役員に就任した三浦喬氏は、「オンライン販売への強制的な転換、メーカー/生産者と消費者が直接つながる、デジタル化がアーリーマジョリティ層へ到達するなど、D2C(ダイレクト to コンシューマー)が急加速し、COVID-19が強制的にデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させている。そのためのプラットフォームと人財が求められているのが今の現状だ。さらに、APAC + EMEA(ヨーロッパ)ではUSを超える形で新規社数/新規従業員数が増加しており、CDPの年平均成長率(CAGR)予測ではAPACが一番伸びると予測されており、われわれも注目している」と説明した。
APAC向けビジネスでは、海外進出を図る日本企業のサポートと、現地ユーザー企業の獲得という2本立てで展開する。
海外進出を図る日本企業のサポートでは、専任のセールスチームを新たに立ち上げ、米国本社からCCO(チーフカスタマーオフィサー)として田村清人氏を迎え、グローバルカスタマーサクセスチームを立ち上げた。また、各国のデータ保護規制に対応するため、それぞれの国にデータセンターを設立するという。同社はすでに2020年9月に韓国にデータセンターを設立した。
現地ユーザー企業の獲得では、イベント開催等のローカル対応の進化、グローバルを含めたパートナーシップ強化を図り、今年度は韓国・タイ・インドネシアに注力するという。
人材育成ビジネスの展開
人材育成では、CDP活用を実現する人材の”インハウス化”をサポート。これにより、CDP市場拡大促進と裾野拡大を図る。
同社はすでに人材育成ビジネス、CDP導入に携わるエンジニアやビジネス担当者を対象に、データの利活用のノウハウやCDPの活用、DXプロジェクトの全体設計や推進の仕方を習得するためのトレーニングである「Treasure Academy For CDP Masters」を提供しているが、さらに、参加者が実際にサンプルデータを使いながら、CDPを操作するハンズオンセッションの提供し、CDP導入プロジェクトのノウハウを体系化するほか、プライバシー保護への知見習得をサポートするため、TMI総合法律事務所と提携し、GDPRや個人情報保護法改正、Cookie規制等、重要トピックを網羅、データ利活用時に不可欠なノウハウを演習形式で徹底解説し、理解を深化させる。
CDPエコシステムの強化
CDPエコシステムの強化では、同社は本年より「Treasure Data Partner Certification Program」として、Treasure Data CDP を活用したシステムの提案や導入支援、コンサルティング、技術サポートなどを行うパートナー企業を対象とした「マスターパ―トナープログラム」と、自社製品・サービスと Treasure Data CDPを組み合わせたソリューションを提供するパートナー企業を対象とした「テクノロジーパ―トナープログラム」を開始しており、これまでに、23社のマスターパ―トナーを認定し Treasure Data CDPの活用支援やコンサルティング、技術支援を行ってきた。
今後はさらに拡充し、パートナー向けにトレーニングプログラムを提供するほか、マーケティング&販売/実装⽀援、認定ベンダー資格&サポートを行うという。
記者発表では、米トレジャーデータ 最高経営責任者(CEO) Pankaj Tibrewal氏もビデオで登場し、「日本は世界で3番目という大きな市場で、成長の余地がある。われわれは、日本を理解し、競争優位性もある。トレジャーデータは引き続き、日本市場に注力する」とメッセージを寄せた。