韓国でSEMESに次ぐ2番目に大きな半導体製造装置メーカーWonik IPSが、東京エレクトロン(TEL)が寡占していた半導体前工程(ウェハ処理工程)用のメタルCVD装置を国産化したと韓国の電子産業業界紙「etnews」が伝えている。
同紙によると、Wonik IPSは3年の研究機関を経て開発したメタルCVD装置「NOA」をSK Hynixの清州工場のファブM15に納品したという。ファブM15は128層3D NANDなどを生産するSK Hynixの基幹NAND生産拠点である。
同紙は、2019年に日本の対韓輸出規制の問題が浮上したときに、SK Hynix内で国産化が必要と特定された品目の1つがメタルCVD装置であったとし、「今まで日本からの輸入に頼っていたメタルCVD装置を国産化したという点で大きな意味がある」としている。
また、SK Hynixの競合でもあるSamsung Electronicsも華城(ファソン)事業所と平沢(ピョンテク)事業所でNOAシステムの量産適用に向け、さまざまな試験を行っているという。さらに、Wonik IPSの酸化膜と窒化膜を交互に堆積させるCVDシステムは、Samsungの中国西安NAND製造工場にすでに納入されたとも伝えられている。
なお、韓国では、政府主導で「素部装(素材・部品・装置を略した漢語由来の韓国語表現)国産化」を合言葉に半導体素材だけではなく、製造装置の国産化が急ピッチで進められている。