NECは11月4日、楽天モバイルが11月9日より開始する「AIかんたん本人確認(eKYC)」向けに、顔認証を活用した本人確認サービス「Digital KYC」を提供すると発表した。
通信事業者は、携帯電話不正利用防止法に基づき、携帯音声通信役務に際しては契約者の本人確認が義務付けられている。これまで非対面での契約の場合は、身分証明書の画像アップロードを行った後に記載の住所へ転送不要の書留郵便等を送付、または事前に書類をアップロードすることなく商品配達時に所定の書類の提示をもって本人確認を行っていたという。しかし、2020年4月に同法施行規則が改正されたことを受け、郵送などを介さない携帯電話事業者が提供するソフトウェアでの撮影による本人確認が認められた。
そこで今回NECは、Digital KYCのソフトウェアキット「Digital KYC SDK(Software Development Kit)」を楽天モバイルのスマートフォン向けアプリの 「my楽天モバイル」に組み込んだ。NECは子会社であるNetcracker Technologyの製品を活用して、ビジネス支援システム(BSS:Business Support System)を納入している。
このBSSと「Digital KYC」の連携により、スマートフォン向けアプリの「my楽天モバイル」で顔と本人確認書類を撮影することで、顔認証による本人確認が可能となり、非対面での本人確認を迅速かつセキュアに実現し、新規契約者の利便性が向上するだけでなく、ユーザ体験のデジタル化とパーソナライズ化に貢献するとしている。
また、「Digital KYC SDK」は、NECの生体認証「Bio-IDiom」の中核技術であり、高い認証精度を有する顔認証AIエンジン「NeoFace」と、なりすまし防止技術を活用しており、本人以外による不正利用のリスクを低減する。
さらに、eSIMに対応したスマートフォンにおいては、SIMカードの発送を待つことなく契約から利用開始までオンライン上で完結するため、SIM契約にかかる事務手続きの負担や時間の削減が可能だ。なお、今後はNFC搭載のスマートフォンやタブレット端末を用いた本人確認書類のICチップ読取にも対応する予定だという。