Maxim Integratedは10月28日(米国時間)、IO-LinkおよびSoftware Configurable Analog I/Oとして「MAX22000」と「MAX22515」、およびこれを搭載した開発ボード「MAXREFDES177」を発表した(日本語発表資料)。この内容について、同社のJeff DeAngelis氏(Photo01)より説明があったので、その内容をご紹介したいと思う。
産業機器の分野においても、消費電力削減や生産性の向上が強く求められているという話はご存じの通り(Photo02)。
同社にとって産業機器分野はフォーカスエリアの1つであるが、その産業機器分野のインテリジェンス化の4つの柱というのがこちら(Photo03)。
センサーにしてもアクチュエータにしてもインテリジェント化を進め、それをSoftware Configurable I/Oを利用して柔軟につなぐ、という話だ。もっともMaxim自身がインテリジェントセンサーやアクチュエータを提供している訳ではなく、これはMaximの顧客が開発して提供するものであるが、そこに対してのConnectivityとしてIO-Linkのコントローラと、顧客の開発する機器内で利用するI/O Controllerを提供するのが同社の目的である。
IO-Linkそのものは業界標準規格であり、IO-Link Consortiumがそのスペックを定めている。Maximも2009年からIO-Link Consortiumに加盟し、これまでも多数のIO-Link製品を提供してきている。
これを利用すると何が便利か? というのがこちら(Photo04)。DeAngelis氏曰く「IO-Linkは、PCで言えばUSBみたいなもので、近距離でデータレートもそれほど高くない機器を簡単に接続できるようにするためのものだ。EtherCATに代表されるIndustrial Ethernetはもっと高速だし、長距離の接続が可能だが、その分高価である」としている。
これと組み合わせる事で効果を発揮するのがSoftware Configurable I/Oである(Photo05)。
アクチュエータやセンサーは、当然製品ごとに細かく信号の仕様が異なる。こうしたものをプログラミングで対応できるようにすることで、柔軟な構成が可能になるという訳だ。ちなみにMAX22000(Photo06)とMAX22515(Photo07)の内部構造はこんな構造である。
もともと同社はこうしたIO-LINK製品を組み込んだ小型PLCを以前からから発表している。2014年に発表したものが第1世代、2016年に発表したPocket IOが第2世代、2018年に発表したGO-IOが第3世代となる訳だが、今回発表の製品を組み込んだものは第4世代にあたる形だ(Photo08)。
Photo09がその第4世代(というか、GO-IO Gen II)の構成であるが、特定用途向け(Photo10)構成も用意される。
加えて、新しくIO-Linkに直結できるUniuversal Analog IOボードとして「MAXREFDES177#」も発表された(Photo11)。
MAX22000およびMAX22515はすでに量産出荷中である。またMAXREFDES177#も65ドルでMaximより入手可能となっている。