10月28日~30日までの間、幕張メッセで開催されるIT展示会、「第11回 Japan IT Week 秋」にてKDDI は「第6回 IoT&5Gソリューション展」に出展、5G通信を実際に体験できる展示を行っている。
携帯キャリアで唯一の出展となったKDDIだが、会場が5G 通信に対応していることを活用し、5G 対応スマートフォンを用いた通信体験やスマートグラスを活用したAR体験、5G の利点である“低遅延”が体感できる遠隔手術体験など同社が持つ5Gに関するアセットを活用したソリューションを見ることができる。
中でも「5G /4Gエミュレータコーナー」では、来場者が実際に触覚デバイスを動かし、その動きが画面に反映されるまでの差をLTE通信と5G通信ではどれくらい違うのかを体感できるデモに触れることができる。担当者によると、5G のメリットである“低遅延”を実際に体験してもらうために用意したものだという。
筆者も実際にデモを体験させてもらったが、LTE通信の場合は実際の手の動きと画面の動きには少し遅れが生じているように感じたが、5G 通信の場合は、その微妙な遅れを感じさせずに、意図したように動いている様子を感じることができた。実際の体験デモでは、操作画面上に遅延秒数を表す数値が表示されていたのだが、LTE通信で80~82msの遅延が発生していたのに対し、5G通信では5~6msと1桁低い遅延速度であった。
また、5G 端末と組み合わせて使用するスマートグラス「NrealLight」を用いたAR体験も可能となっている。同製品は中国の企業であるNrealが開発を行っているものだが、KDDIと同社は2019年5月にパートナー協定を結んでおり、その開発や活用に向けて協力関係が構築されている。
NrealLightの特徴は、組み合わせて使用するスマートフォンから電力の供給を受けられるためバッテリーが内蔵されていないという点。そのため、軽量化が可能で、長時間の装着でも疲れにくいという。
このほか、パートナーとの新規ビジネス創生プログラム「KDDI DIGITAL GATE」などの紹介が行われていたほか、感染症対策としてKDDIが提供する体表面温度計測サービス、「KDDI IoTクラウド Standard サーマルカメラパッケージ」や、AIの導入により人数や年代、装着物のチェックなどが可能な「人数カウント」サービスなども紹介されている。
なお、今回の出展ではパートナー企業との協業による展示も多くみられ、ブースの担当者からは「KDDIが持つ5Gアセットを用い、さまざまな企業と協業することで5G ならではのキラーコンテンツを作っていきたい。」と意気込みを見せていた。