ファーウェイは10月28日、幕張メッセで開催されている第1回AI・人工知能EXPO【秋】に出展し、エッジでAIを活用するさまざまなソリューションのデモを公開した。
すべてのデモで共通して使われていたエッジ製品は、ファーウェイが提供する「Atlas 500 AIエッジステーション」だ。
同製品はエッジでのリアルタイムデータ処理が可能であり、ファンレス設計で、-40℃~+70℃での屋外動作が可能だ。また、プライベートクラウドおよびパブリッククラウドと連携することで、クラウドからのプッシュ配信とアルゴリズム更新が可能だとしている。
感染症対策ソリューション
ファーウェイの展示ブースでは、エッジデバイスに接続された4つのカメラを活用した、人と人との距離が数字として表示される感染症対策ソリューションが公開されていた。
同社の技術担当者によると、AI技術により1秒間に約13回、間隔距離を認識してその結果を表示することができるという。実際に前に立ってみると、瞬時に周りの人との間隔が表示されることが確認できた。
また、ビデオ会議用ディスプレイにもなる感染症対策ソリューションも公開されていた。こちらも同様に「Atlas 500 AIエッジステーション」を活用しており、天井近くに設置されたカメラにより、人数やソーシャルディスタンスが保てているかどうかを確認できる周辺マップや時間経過ごとの人流データなどを、ディスプレイ上に表示することができる。
また、ディスプレイにはWindows 10が搭載されており、ビデオ会議用ディスプレイや、プレゼンテーションプロジェクションとして活用することもできる。
さらに、自動周辺ノイズキャンセリングを実現するAIを搭載しており、壁側の内側だけの音声を拾い、外側の音声を遮断することが可能だ。電子黒板にもなるので企業だけでなく教育機関での活用も想定される。
スマート駐車場
次に紹介するのは、駐車場の空車状況を可視化し、混雑回避を実現するソリューション。リアルタイムに満空把握でき、カメラも比較的安価で最小限のもので実現できるとしている。
また同ソリューションは、ナンバープレート検知などの付加価値機能を随時追加することが可能だ。
スマートファクトリー
出展ブースの中で特に筆者の目を引いたのは、アーム型ロボットを活用した生産ライン向けのソリューション。
バラ積みピッキングが可能なAIを搭載しており、安価なカメラで、対象物を正確につかみ目的の場所へ運ぶことを実現する。実際に確認してみた。
同ソリューションは、アクセンチュアのロボティクス技術と、クロスコンパスのAI技術を活用しており、両社は製造業への提供開始を目指し、現在研究を進めているとのことだ。