東北大学は10月23日、下半身のトレーニングにおいて膝下サポーターを使用すると、ワークアウト運動後の疲労が軽減されることを明らかにしたと発表した。

同成果は、同大学大学院医工学研究科健康維持増進医工学分野のネギヤシ・ヤノシュ特任助教、同・永富良一教授(同大学院医学系研究科運動学分野兼任)らの研究チームによるもの。詳細は、国際科学誌「Journal: European Journal of Applied Physiology」電子版に掲載された。

テーピングやサポーターを用いた「可動域制限トレーニング」は、運動効果を高めるほか、肉離れや靱帯の損傷など、無理な運動によるケガを予防できることから、一般ですでに利用されている手法だ。しかし可動域制限トレーニングが、運動後の疲労回復にどのような効果があるのかはこれまでわかっていなかった。

今回の研究では、平均年齢25.5歳の24人の健康な成人を対象に、100回の膝伸ばし等速性運動トレーニング(一定速度を保ったままするケガをしにくい運動)を膝下サポーターあり・なしにおいて最大筋力で行ってもらった。対象24人は、サポーターを装着して運動、サポーターなしで運動、サポーター装着で運動なしの8人ずつ3グループに分けられ、トレーニングは筋力の限界まで力を出し切るワークアウトの形で行われた。

測定をトレーニング直後、24時間後、1週間後の3回に分けて筋力と膝関節位置感覚に対して実施。その結果、サポーターなしで運動をしたグループに比べて、膝下サポーターを装着して運動したグループでは、トレーニング直後と24時間後の疲労の低減が確認された。一方、膝関節位置感覚については、各グループの間に差は見られなかったという。

今回の成果について研究チームでは、疲労を残しにくい、新たなトレーニング方法の開発につながることが期待されるとしている。

  • 下半身トレーニング

    下半身のトレーニングの測定風景 (出所:東北大プレスリリースPDF)