NTTデータとしんきん共同センターは10月26日、信用金庫の窓口業務を大幅に効率化する「営業店窓口支援システム」の提供を11月から開始すると発表した。両社では、新サービスを2020年度中に40金庫以上へ導入を予定しているほか、今後は数年以内に150金庫以上への導入を目指す。

  • 「営業店窓口支援システム」のサービスイメージ

    「営業店窓口支援システム」のサービスイメージ

新システムは、顧客、信用金庫職員がタブレット端末に入力した各種申し込み情報を営業店端末に連携することで、顧客の記入負担と信用金庫の窓口業務負担の双方を低減し「記入レス」「オペレーションレス」「伝票の電子保存」の3つの特徴を持つ。

記入レスでは、従来は顧客が各種申し込み書類に重複して記入していた項目について、タブレット端末に入力することで、重複記入が不要となるほか、入力漏れや入力内容が整合的でない項目をシステム側で自動チェックすることで、紙媒体で発生していた必要項目の記入漏れや記入ミスを防止する。

また、免許証などの本人確認書類から、OCRで住所・氏名・生年月日等の情報を自動的に読み取るため、入力項目数も削減され、全体として各種申し込み手続きに係る負担が軽減される。

オペレーションレスについては、タブレット端末に入力された情報が営業店端末、しんきん共同システムに自動的に連携され、後続のオペレーションのフローもわかりやすく、かつ短縮化されるため信用金庫職員の業務習熟度に依存せず、オペレーションの実施漏れや入力ミスを防止することが可能。

さらに、AML(アンチ・マネー・ロンダリング)のチェックを自動実行し、信用金庫職員のオペレーション負担が削減されるとともに、事務リスクも低減されるという。

伝票の電子保存に関しては、紙の伝票に記入していた情報がタブレット端末への入力により電子データ化されるため、伝票や申込書など紙媒体の管理事務、営業店での保管スペースの確保をはじめ、紙にまつわるさまざまなコストの削減が可能となる。

今後も両者は、しんきん共同センター加盟金庫を対象に同システムを幅広く展開しながら、利便性向上および信用金庫の業務効率化・事務リスクの低減を図ることで、双方のコミュニケーション強化を図る方針だ。