宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月23日、新しい宇宙飛行士の募集を2021年秋ごろに実施する計画であることを明らかにした。実際に募集が開始されれば、13年ぶりに新宇宙飛行士が誕生することとなる。
これまでJAXAは1983年から1984年にかけて第1回目の宇宙飛行士の採用活動を開始して以降、1991年、1995年、1998年、2008年と合計5回にわたって実施してきた。2021年秋ころに実施される採用活動は日本人宇宙飛行士の募集としては6回目となる。
現在、JAXAの現役宇宙飛行士は、若田光一宇宙飛行士、野口聡一宇宙飛行士、古川聡宇宙飛行士、星出彰彦宇宙飛行士、大西卓哉宇宙飛行士、油井亀美也宇宙飛行士、金井宣茂宇宙飛行士の7名。その平均年齢は、国際宇宙ステーション(ISS)参加国別の宇宙飛行士の中でも51歳と高く(NASAが49歳、ESAが45歳、CSAが42歳、ロシアが45歳)、一方、月探査計画などが各国が協力して進めていこう、という流れもあり、若返り、という意味でも新たな宇宙飛行士の採用を模索する必要性がでてきていた。
なお、前回(2008年)に実施された際の応募条件は以下のようなものであった。また、今回の募集に関してJAXAでは、これまでのJAXA主体による募集・選抜、訓練と異なり、民間企業と連携を強化し、募集・選抜、訓練に企業ノウハウや新しいアイデアを活用することを想定しているとするほか、多くの方々に応募していただけるよう、募集開始までの間、広報活動やイベントを行うことも検討しているという。
- 日本国籍を有すること。
- 大学(自然科学系)卒業以上であること。
- 自然科学系分野における研究、設計、開発、製造、運用等に3年以上の実務経験を有すること(なお、修士号取得者は1年、博士号取得者は3年の実務経験とみなす)。
- 宇宙飛行士としての訓練活動、幅広い分野の宇宙飛行活動等に円滑かつ柔軟に対応できる能力(科学知識、技術等)を有すること。
- 訓練時に必要な泳力(水着及び着衣で75m: 25m x 3回を泳げること。また、10分間立ち泳ぎが可能であること)を有すること。
- 国際的な宇宙飛行士チームの一員として訓練を行い、円滑な意思の疎通が図れる英語能力を有すること。
- 宇宙飛行士としての訓練活動、長期宇宙滞在等に適応することのできる医学的、心理学的特性を有すること。
- 日本人の宇宙飛行士としてふさわしい教養等(美しい日本語、日本文化や国際社会・異文化等への造詣、自己の経験を活き活きと伝える豊かな表現力、人文科学分野の教養等)を有すること。
- 10年以上宇宙航空研究開発機構に勤務が可能であり、かつ、長期間にわたり海外での勤務が可能であること。
- 米国勤務当初に必要な国際免許の取得のため、日本の普通自動車免許を採用時までに取得可能なこと。
- 所属機関(又は、それに代わる機関)の推薦が得られること。