F5ネットワークスは10月20日、従来型の不正検出ツールでは発見の困難なオンライン上での不正取引を検出・排除する新型のSaaS型ソリューション「Shape AI Fraud Engine(SAFE)」を発表した。SAFEは、F5の子会社であるShape SecurityのAI(人工知能)エンジンを活用し、さまざまなテレメトリ、環境、行動シグナルに跨って各オンライン取引を評価し、正確にユーザの意図を把握することにより人為的なオンライン詐欺を未然に防ぐという。

旧式の不正検出ツールは不確かなデータシグナルに依存しており、変動的なルールではなく、あらかじめ決められたルールのみに基づいて巧妙な不正に対応しようとしており、これらの旧式のツールは大半のケースでユーザの意図に悪意があるかの判断ができないという。

また、不正ユーザと正規ユーザとの見分けがつかないため、正規ユーザに対して多要素認証など追加の負担もある結果、正規ユーザの体験が損なわれてしまうだけでなく、詐欺行為を行うネット犯罪者が効果の低い防御策を潜り抜けた際に、財務的損失も発生している。

SAFEはAIとShapeの専門知識を活用したフルマネージド型のサービスで、リアルタイムの不正検出を行うことが可能。進化を続ける脅威を検出・排除可能なフルマネージドサービスとして、SAFEは新型、そして既存のアプリケーションサービスを保護し、企業のデジタルトランスフォーメーションを支えるとともに、増加する不正対策部門の業務量を軽減するとしている。

アカウントの新規作成やログインから、チェックアウト、決済、そのほかアクションまで、ユーザ体験の全体にわたり、不正取引を特定し、AIを活用して悪意ある攻撃を正確に検出・ブロックするほか、必要に応じてアプリケーションをスケールさせ、パフォーマンスやセキュリティを含む重要なサービスを調整、順応させる機能を備えている。

さらに、企業やアプリケーション管理者が詐欺・不正行為を未然に防ぐために正規ユーザに対して既存のツールでは正規ユーザと不正ユーザを正確に区別することができないため煩わしい作業を課すことがあり、SAFEは独自のテレメトリと最新のAI技術を組み合わせることで、正規ユーザと不正ユーザを区別し、正規ユーザに対しては多要素認証等の煩わしいプロセスを安全に取り除き、必要な作業量を減らすという。

加えて、不正対策部門によるルールの作成または管理を必要とせずに、不正行為を能動的にブロックし、Shapeの専門家が継続的にチューニングを行い、アプリケーションの境界上で不正行為を防止することで、不正対策部門による手動の調査にかかる工数と人的資源を削減することを可能としている。