総合商社の双日は10月20日、宮古協栄バス、八千代バス・タクシー、中央交通とともに、沖縄県宮古島市内の主要観光地、宿泊施設などを循環する「宮古島ループバス」の実証運行を行うと発表した。また同実証は、NECとプットメニューと連携し、宮古島市内のバス交通における「新しい生活様式(ニューノーマル)」の導入を図るとしている。

同事業は、宮古島における観光地や宿泊施設等を回る観光客向けの公共交通機関不足、ピーク時のタクシー不足発生などの課題改善を目指す取り組みとして、同市内の主要公共交通機関であるバス交通の利便性向上および「新しい生活様式」の導入などに関する調査・検証のため、同市からの委託により実施するもの。

  • 「宮古島ループバス」のスキームと取り組み体制

同事業において6社は、近年増加傾向にある国内外からの観光客の移動利便性・回遊性の向上を図ると同時に、宮古島市民向けには特別運賃を設定し、市民のエコ意識や公共交通利用意識を高める取り組みも実施する。

  • 実証運行を行うバスの運賃

また、「新しい生活様式」への対応として、乗客のマスク着用や車内の定期的な消毒など、基本的な感染症予防対策に加えて、NECの顔認証技術を活用した乗車サービスや、LINEアプリとの連携によるオンラインでのバスチケット販売および決済に使用したスマートフォンを用いたチケットレス乗車サービス(プットメニュー提供)を導入する。

なお、バスの実証運行期間は、2020年10月25日から2021年1月31日を予定しており、運行ルートは、マティダ市民劇場~宮古島市役所~宮古空港~宮古島東急ホテル&リゾーツ~シギラセブンマイルズリゾート~新城海岸~吉野海岸~宮古島市熱帯植物園~マティダ市民劇場(宮古島島内を双方向に循環)としている。

双日は、同じく宮古島市において下地島空港旅客ターミナル運営事業へ参画しており、同事業を通じて域内公共交通機関の利用率向上を図り観光と地域社会の共生への貢献を目指すとともに、新たなモビリティサービスの導入検討も含め、サステナビリティな公共交通モデルの構築に向けた取り組みを行う方針だ。