オートメーション・エニウェア・ジャパンは10月20日、さまざまなインタフェースからRPAのボットと相互にやり取りしながらプロセスの実行を可能にする「業務向けデジタルアシスタント」の役割を備えた「Automation Anywhere Robotic Interface」(以下、AARI)を発売すると発表した。
AARIは同社のクラウドネイティブRPAプラットフォーム「Automation Anywhere Enterprise A2019」上で稼働しながら、人とボットをシンプルなインタフェースで引き合わせ、全従業員が簡単な操作で日常業務の自動化を活用して、本来の業務に集中できるように支援する。
これまでRPAによる自動化は部門単位や単一システム上の定型業務が中心だったが、同社は人の判断や例外処理を含む、大きなプロセスの始めから終わりまでを自動化してプロセス全体を最適化する要望を多く受けているという。
AARIは、人の判断や例外処理が必要な非定型業務プロセス全体を、ボットと従業員の簡単なやり取りによって連携させ、プロセスの自動処理を実現する。
ソリューションエンジニアリング本部 シニアソリューションセールスエンジニアの磯野健彦氏は、「AARIは、人とボットをつなぐ新たな分野のソリューションとなる。今までRPAは誰もが使える環境ではなかった。しかし、これからは人とボットが相互にやり取りしながらプロセスを自動化する仕組みが必要となる」と語った。
AARIはブラウザ、デスクトップ、業務アプリ上で利用でき、製品ラインアップはブラウザで利用する「AARI for Web」、他社アプリケーション上で利用する「AARI for Apps」、A2019クライアントで利用する「AARI for Desktop」がある。音声で利用する「AARI for Voice」、モバイル端末で利用する「AARI for Mobile」の開発も行われている。
「AARI for Web」を利用すると、複数のUnattended Botやフォーム入力を組み合わせたプロセスを実行可能なほか、他のユーザーによる承認やエスカレーションをプロセスの一部に組み込むことができる。
プロセスの開発は、Webベースのフォームビルダとプロセスエディタにおいて、ドラッグ&ドロップによって行える。プロセスでは、他のユーザーによる承認を組み込むことが可能。
ユーザーは自身のポータルにログインすることで、リクエストの実行や実行中プロセスに対するフォーム入力が実行でき、自分にアサインされたタスクの件数を確認できる。
判断や例外処理が必要なプロセスにおいては、簡単な入力や選択を求める画面が表示され、数字やテキストを入力したり、選択したりして処理することで、次のプロセスが自動で実行される。
「AARI for Desktop」は、Attended Botの実行中に実行者とボットとの間で双方向のデータのやり取りを可能にする。この機能を使うことで、ボットに対して動的に動作条件を指定すること、複数のシステムからの情報をまとめて表示すること、複数システムに対しデータを更新することなどが可能になる。
「AARI for Applications」を利用することで、Excelプラグイン、Salesforce.comコネクター、Mulesoftコネク ター、ServiceNowコネクターにより、各アプリケーションからボットを起動することが可能になる。
磯野氏によると、コールセンターなどでの利用を想定していることから、AARIのユーザーライセンスは割安だという。