静岡県袋井市と凸版印刷は10月16日、小学校入学に向けた「思考・表現の基礎となる力」や「学びに向かう力」の育成と、より質の高い保育を実践する保育者スキルの向上を目指し、年長児61名を対象に幼稚園・保育園などでのICT利活用を推進する実証実験を袋井市内の3園(袋井市立三川幼稚園、浅羽西幼稚園、笠原子ども園)で2020年10月~2021年3月まで実施すると発表した。
同実証実験では、「タブレット端末」ならびに凸版印刷が開発した幼児向け学習サービス「できるーとアプリ」や「保育者マニュアル」を試験導入し、保育者の援助のもと、園児がタブレット・アプリを活用し、数・量・図形への興味関心を育むあそびプログラムやグループ活動、発表活動に取り組む。園活動を通じた思考力・表現力・意欲の育成における「できるーとアプリ」の有効性・課題を検証する。
また、日常の保育に「タブレット端末」と凸版印刷とCedep(東京大学大学院教育学研究科附属発達保育実践政策学センター)が共同開発した「活動記録アプリ」を試験導入し、園児が日々作ったもの、見つけたこと、できるようになったことなどを、その時の写真や動画・気持ちのスコアで主体的に記録する活動に取り組む。これにより、園児の育ちに必要なサポートを考え実践することに繋げるための効果的なフィードバックのあり方・活用方法について検証を行う。
袋井市と凸版印刷は、袋井市の幼稚園・保育園における学びへの継続的なICT利活用を目指し、実施内容・規模の拡大を進める一方で、同実証で得られた幼児期の体験や姿を小学校へ共有し、小学校教育でのICT利活用促進や個別最適化された学びの環境構築に活用するなど、子どもたちの成長を連続的にサポートするための継続的な実証活動・学ぶ環境の提供を進める方針だ。