大幸薬品は10月15日、二酸化塩素分子が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のヒトの体内への感染を阻止するメカニズムを解明したと発表した。

新型コロナウイルスが、ヒトに感染するには、ウイルス表面のスパイクたんぱく質が、ヒト上皮細胞表面にある受容体(ACE2受容体)に結合することが必要だが、先行研究からこの結合時に、スパイクたんぱく質を構成する特定のアミノ酸残基(453番目チロシン)とACE2受容体の特定のアミノ酸残基(34番目ヒスチジン)が結合することが分かっている。

今回の研究では、二酸化塩素ガス溶液に室温5分間触れた後のスパイクたんぱく質と、ACE2受容体との結合反応を、コントロール群(二酸化塩素なしの場合)とを比較。その結果、二酸化塩素ガス溶液に触れた群では、ACE2の結合を阻害、つまり新型コロナの感染を阻止していることが示されたという。

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    二酸化塩素分子によるスパイクたんぱく質とACE2受容体の結合阻害イメージ (出所:大幸薬品Webサイト)

なお、同成果の詳細は英文科学誌「Annals of Pharmacology and Pharmaceutics」に掲載された。