国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は2020年10月13日(米国時間)、半導体向けシリコンウェハ出荷面積に関する2020年の年次予測を発表した。
それによると、2020年の出荷面積は、前年比2.4%増119億5700万平方インチとなるが、2021年にはさらにそれを上回り、過去最高を記録。その後も2023年まで継続的な成長が見込まれるという。
SEMIの市場調査統計担当ディレクタであるClark Tseng氏は、「2020年のシリコンウェハ出荷面積は、地政学的な緊張、世界的な半導体サプライチェーンのシフト、新型コロナウイルスの感染拡大の影響にもかかわらず、回復が進んでいる。新型コロナが加速させたデジタル化により、企業およびそのサービス提供方法が世界中で様変わりしており、この成長は2023年まで継続すると予測している」と述べている。
好調な半導体市場の恩恵を受けるウェハメーカー
SEMIやSIA(Semiconductor Industry Association)をはじめとするさまざまな統計から、半導体産業の世界的な回復が見えてきている。半導体業界の景気指標であるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も連日の最高値を更新しており、半導体サプライヤはもちろん、シリコンウェハサプライヤにも恩恵が及ぶとの見方が強まっている。
実際に、シリコンウェハ業界2位のSUMCOは、8~9月は株価が下落基調だったものの、10月に入って株価は反転し2か月ぶりの高値を付けるなど、証券市場で話題となっている。なお、業界トップの信越半導体は、信越化学の子会社であるため上場していないが、業績は急回復している模様である。