日本電気(NEC)は10月9日、東京電力パワーグリッド(東電PG)、三井住友海上火災保険、東邦大学医学部衛生学教室、東京都大田区などと共同で、東京都の「次世代ウェルネスソリューションの構築事業(モデルプロジェクト)」における事業者としての採択を受けたと発表した。
NECは産官学の連携の下、実証プロジェクトである「都民の健康増進のための産官学データ活用ウェルネスサービス実証」の初年度として、2020年10月から2021年2月にかけて実証実験を実施する。
同プロジェクトの目的は、以下の2点。
- 産官学のデータを連携し、地域課題の可視化と予防研究を通じたウェルネスサービス事業の開発を促進すること
- 都民の健康増進に役立つ新サービスの創出と、産官学のデータを活用するためのプラットフォームの実装を目指すこと
事業のうちプロジェクト1では、医療・介護、人口動態、消費、保険などに関するデータの統合・分析を通じて、エリアごとの地域課題を可視化し、ウェルネスソリューション開発に貢献する予防研究を実施する。
プロジェクト2-1に関して、東電PGが提供する電力センサーによって家庭内家電製品の使用状況を推定でき、生活リズムのモニタリングが可能になる。
要支援・要介護者宅にセンサーを設置し、家族や介護事業者へ生活リズムの可視化サービスを提供することで、要支援・要介護者の実態に合った介護サービスの実現につながるとしている。
この可視化サービスの有効性を検証すると共に、生活リズムと生活習慣病などの疾病との関連について研究し、応用の可能性を検討する。
プロジェクト2-2では、歩行分析センサーなどで収集したモニタリングデータを使用して、整形外科患者の社会復帰と再発予防につながるリハビリサービスの有効性を検証する。
プロジェクト3では、産官学のデータを利用するプラットフォームの実装に向けた課題整理を行い、プラットフォームの構築を検証する。
今回の実証では、都民のQOL(生活の質)向上に向けて、データを利用する健康づくりを推進し、産官学一体となってEBPH(Evidence-Based Public Health、エビデンスに基づく公衆衛生)によるオーダーメイド型のウェルネスサービスの構築に取り組むとのことだ。