カネカは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を1時間以内に検出可能なRT-qPCR キット「KANEKA Direct RT-qPCR Kit“SARS-CoV-2”」を、医療機関および検査施設向けに販売開始した。
同製品は、カネカが取り組んできた遺伝子検査関連製品などの技術を生かして開発した、独自の検体処理技術を採用することで、通常の検査で必要となる、唾液や鼻咽頭ぬぐい液から採取した検体からの新型コロナウイルス特有の遺伝子であるウイルスRNA精製工程を不要とし、熱処理だけで前処理工程が完了することができるというもの。これにより従来法では約 1 時間を要していた前処理工程をおよそ 5 分に短縮することで、PCR 検査全体の所要時間を従来の 2~3 時間から、1 時間程度へと短縮することが可能になるという。
製品評価については、AVSSと共同で、国立感染症研究所の基準に則って実施、すでに厚生労働省発表資料の「臨床検体を用いた評価結果が取得された 2019-nCoV遺伝子検査方法について」に掲載されており、行政検査および公的医療保険の適用対象になっている。
なお、同製品は希望小売価格 11万円(検査100回分)にて、カネカのグループ会社である、カネカメディックスが販売を行うという。今後、カネカでは医薬 品医療機器等法に基づく体外診断用医薬品として承認取得を目指す計画としており、同製品の他、DNA ワクチンの中間体製造、「アビガン」の原薬供給、ベルギーでのPCR 検査試薬供給など、新型コロナウイルス問題の解決に向け広く取り組んでいくとしている。