ソフトバンクとミツフジは10月8日、高精度測位と生体情報を併せて活用したウエアラブルソリューションの提供に向けて、2020年9月より協業を開始したことを発表した。
両社は2021年度の商用化を目標に、ソフトバンクの高精度測位サービス「ichimill(イチミル)」と、ミツフジのウエアラブルデバイス「hamon(ハモン)」から取得した心拍や呼吸数などの生体情報および独自のアルゴリズムで解析したデータを組み合わせた、新しいウエアラブルソリューションの開発を検討する。
具体的には、ミツフジの銀めっき導電性繊維を通して生体情報を取得でき、「ichimill」にも対応したウエアラブルデバイスおよび専用ウエアの開発を進める。同ウェアラブルデバイスを作業員が身に着けることで、高精度な位置情報と、心電、心拍、呼吸数などの生体情報や加速度、温度・湿度の相対的な変化などの情報を取得し、クラウドへ送信することが可能だとしている。
また、同ウエアラブルデバイスから取得した生体情報は、ミツフジのアルゴリズムをもとにクラウド上で解析し、ストレスや眠気、暑熱リスクなどの体調変化を可視化することで、熱中症の危険や居眠りなどを事前に予測して作業員や監督者に通知する。位置情報をもとに、危険なエリアへの接近を検知して通知することも可能だ。
さらに、管理画面から、クラウド上に収集した位置情報や生体情報などのモニタリングや管理が行えるため、データに基づく作業員の労働環境の可視化や作業の進捗管理、事故の予防や原因分析などにも活用できる。
なお、両社は2020年9月より建設現場や測量現場において、ソフトバンクの「ichimill」検証機とミツフジのウエアラブルデバイスを別々に装着し、高精度な位置情報と生体情報を取得する実証実験を行っている。作業員の位置や体調の管理に加え、高精度での作業の進捗管理や、危険エリアへの進入検知などの有用性を検証しているとのことだ。