富士通は10月8日、メディア向けにオンライン記者会見を開催し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に向けたローカル5GやプライベートLTEなどの自営無線システムの活用を加速させる取り組みやサービスの提供開始を発表した。
ローカル5Gの利活用を加速させる
まず、企業の業務革新や課題解決に向けて、富士通のローカル5Gをはじめとする技術や知見と日本マイクロソフトやシャープといったパートナー企業の先進技術を活用したソリューション共創プログラム「ローカル5Gパートナーシッププログラム」が10月8日より開始される。
同プログラムでは富士通が提供するローカル5Gネットワークとの接続性を検証や、パートナー企業と富士通の商品・サービス・先端技術を組み合わたソリューションの共創を実施する。
また同プログラムにおいて、パートナー企業の各種デバイスの接続やソリューション共創を実施するための検証施設として、「FUJITSU コラボレーションラボ」(神奈川県川崎市)の提供も同日より開始する。
同施設では、ローカル5Gのネットワーク環境下で、企業が抱える課題に対して、富士通のネットワーク技術やさまざまな業種ノウハウの知見をもとに、パートナー企業の製品・サービス・先端技術を統合し、ローカル5Gを活用した企業の業務革新や課題を解決する高度なソリューション共創の実現を目指す。
オンライン記者会見では、富士通のローカル5GネットワークとマイクロソフトのAzure IoT Edge、Microsoft Azureを活用した製造業向けソリューションの共創事例が紹介された。これにより、ものづくりの現場における、高精細映像と複数センサのリアルタイム 分析・処理を実現したという。
富士通 5G Vertical Service室 室長 後藤知範氏は、「ローカル5Gだけではなくデバイスからアプリケーションまで幅広く、パートナー企業との共創によるバーティカルな価値を提供していくことを目指す」と話した。
富士通のプライベートワイヤレスサービス
一方で、同社は、ローカル5GやプライベートLTEなどの自営無線システムの活用を実現する「プライベートワイヤレスサービス」の提供も開始する。具体的には、自営無線システムの円滑な導入と業務での活用に向け、PoC(Proof of Concept)、免許申請・電波測定、設計・構築、運用・保守までを、同社のワイヤレス技術の専門技術者によりワンストップでサービス提供する「プライベートワイヤレスマネージドサービス」、および自営無線システムの通信機能とその管理機能を月額利用可能とする「プライベートワイヤレスクラウドサービス」を10月8日より販売開始する。
「プライベートワイヤレスクラウドサービス」は、基地局やコアネットワーク、SIMによる通信機能とその稼働状況の遠隔監視や障害発生時の1次対応などのサービス管理機能を月額で利用可能とし、初期導入コストの削減につながるとしている。同サービスは同社が2020年度4Qに提供を予定している4.7GHz帯SA型5G基地局にも対応しているとのこと。
「プライベート ワイヤレスマネージドサービス」と「プライベートワイヤレスクラウドサービス」の販売価格はそれぞれ以下の図の通り。同社は2025年度末までに、ローカル5G関連ビジネスで累計1,000億円の販売目標を掲げている。