ルネサス エレクトロニクスは、32ビットマイコンRAファミリとして、RA6シリーズに新たにArm Cortex-M33コア搭載の「RA6M4マイコングループ」として9品種を追加したことを発表した。

同社は2019年10月より「RAファミリ」を展開しており、今回のRA6M4の拡充によりRAファミリは合計で42種へと拡大された。

RA6M4の最大動作周波数は200MHz、Arm独自のセキュリティ技術「Arm TrustZone テクノロジ」に対応しているほか、ルネサス独自の暗号エンジン「Secure Crypto Engine」も搭載。これにより、複数の対称・非対称暗号アクセラレータ、高度な鍵の管理、セキュリティライフサイクル管理、改ざん検知、およびサイドチャネル攻撃への耐性など、IoT機器で求められるセキュリティ性能を提供することが可能となっている。

同グループは、最大1MBのフラッシュメモリと256KB(ECC付64KB)のSRAMを搭載。40nmプロセスを採用することで、フラッシュメモリからのCoreMarkアルゴリズムの実行時の消費電力を99μA/MHzに抑えることができるとするほか、高性能オンチップオシレータの搭載により、スタンバイから30μsという高速ウェイクアップにも対応している。

その他、64ピンから144ピンまでスケーラブルなLQFPパッケージで提供され、DMA(Direct Memory Access)付きイーサネットコントローラ、静電容量式タッチキーの搭載、A/Dコンターバータ×2、USB 2.0 Full SpeedおよびCANインタフェース、Quad SPI およびOctaメモリインタフェース、SCI(UART、Simple SPI、Simple I2C)およびSPI/ I2Cマルチマスターインタフェース、SDHIおよびSSI(Serial Sound Interface)といった機能も備えている。

なお、RA6M4マイコンを用いた開発にあたっては、Armのエコシステムを活用できるのみならず、ルネサスがRAファミリ用に提供しているFreeRTOSや対応する各種ミドルウェアを含んだFlexible Software Package(FSP)の利用が可能。また、ルネサスのパートナーエコシステムから提供される、即使用可能なソフトウェアやハードウェアであるRA Readyソリューションを使用することで開発期間の短縮を図ることができるという。