富士通ならびにファナック、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は10月7日、共同記者会見を開催し、工作機械業界をはじめとした製造業各社のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するクラウドサービスを提供する新会社「DUCNET(ディーユーシーネット)」を3社共同出資により2020年11月に設立することを発表した。
社長には富士通 COLMINA事業本部 戦略企画統括部 シニアディレクターの田中隆之氏が就任予定で、資本金は2億5000万円で株主構成は富士通40%、ファナック30%、NTTコミュニケーションズ 30%となる。
新会社では、3つのサービスで構成される製造業のデジタル革新を加速するクラウドサービス「デジタルユーティリティクラウド」の提供を行っていくという。
同サービスの1つ目はクラウド上に企業ごとのプラットフォームや自社サービスを実装できる環境を提供するプラットフォーム提供事業。2つ目はコミュニケーション、データ共有のための基本機能やAIや検索エンジンなど情報活用基盤、IoTを活用した設備データの一括管理ツールなどの提供を行うシェアードサービス事業。そして、3つ目はマーケットプレイスでの販売・購入や決済代行サービス、サブスクリプションの仕組みの提供などといった提供者と利用者のマッチングを促すeコマース事業となる。
これらのサービスへの参加企業はDUCNETが提供する基本機能(コミュニケーションツール、ストレージ、ストア機能)やユーティリティツール(AI検索ツール、IoT管理ツール、保守業務ツールなどが順次提供される予定)を購入することで自社サービスを構築し、そのサービスをDUCNETが用意したECストアで販売することが可能となる。また、DUCNETは、そうした参加企業がサービスを利用する使用料や、ECストアを活用して販売した際の販売手数料を収入源とすることを目論むとしている。
なおDUCNETは2020年11月の設立予定だが、実際の国内企業に向けた基本機能のサービス提供は2021年4月からを予定しており、その後、順次、欧州、北米、アジア各地域に向けてサービスを展開していく予定だという。すでに、ファナックが同サービスのファーストユーザーとなることが決定しているとのことで、DUCNETでは、利用企業のものづくり力の強化への貢献および、参加企業各社がサービス提供者ならびに利用者のどちらにもなれるエコシステムの実現を目指すことで、設立3年以内に、参加企業数を300社まで増やしたいとしている。