NECは10月7日、ゆうちょ銀行の事務システムへAIを活用したOCR(以下、AI-OCR)を提供すると発表した。同機能は2021年2月より稼働開始予定。
金融業界ではICTによる業務改革の推進が喫緊の課題となっており、特に自動払込利用申込書受付に伴う事務処理は帳票の種類が数千あり、すべての手書き文字を従来のOCRで読み取ることは難しく、読取精度の向上が求められているという。
今回、ゆうちょ銀行が導入を開始するAI-OCRは、実際に取り扱われている帳票の手書き文字を学習させることで、ゆうちょ銀行向けの学習モデルを生成し、全国各地の数千種類ある帳票の手書きの文字を正確に読み取ることを実現する。
ゆうちょ銀行では同機能を、全国11カ所の貯金事務センターで取り扱う年間約1400万件に及ぶ自動払込利用申込書の処理業務に導入することで、業務の効率化と堅確性の向上を目指す。NECによると、同機能をゆうちょ銀行の後方事務に活用することで、自動払込利用申込書の内容と顧客情報との突合処理を従来比で約60%効率化するという。
同社は今後、同社が策定した2020年度までの3カ年の中期経営計画「2020中期経営計画」の下、AIをはじめとする先進技術を活用した金融サービスを、あらゆる人と産業へ届けるための取り組みを推進する方針だ。