Python Software Foundationは2020年10月5日(米国時間)、「Python Release Python 3.9.0 | Python.org」において、安定版リリースの最新版となる「Python 3.9.0」の公開を伝えた。このバージョンはWindows 10のインストールが変更されており、デフォルトで64ビット版のインストーラが動作するようになっている。また、Windows 7へのインストールも実施できないように変更が加えられている。
Python 3.9.0の主な変更点は次のとおり。
- Cエクステンションメソッドからのモジュールステートアクセス
- dictにおけるUnion演算子
- 標準コレクションにおける型ヒントジェネリック
- フレキシブル関数と変数アノテーション
- デコレータにおけるグラマ制限の一部解除
- 標準ライブラリにおけるIANAタイムゾーンデータベースのサポート
- Stringにプレフィックスおよびサフィックスを削除する機能を追加
- CPython向けに新しいPEGパーサを導入
- 復活したオブジェクトでブロックを行わないようにガベージコレクタを変更
- 競合やシグナルなしにプロセス管理を可能にするos.pidfd_openを追加
- Unicode 13.0.0をサポート
- 同一プロセスにおいて複数回Pythonを初期化してもメモリリークが発生しないように変更
- Python組み込み機能の実行速度改善
- Pythonモジュールのいくつかをマルチフェーズ初期化処理を行うように変更
- 標準ライブラリモジュールを安定版ABIを使うように変更
- 安定した年次リリースケイデンスを採用
Python 3.9.0は今後9回にわたってバグ修正アップデートが提供され、5年後に最後のセキュリティアップデートがリリースされてサポート終了となる見通し。現在のところ2025年10月のセキュリティアップデート(ソースコードのみの提供)が3.9系最後のリリースになる見通し。
Pythonは今後は1年間ごとのリリーススケジュールを採用するとしており、次のバージョンは「Python 3.10.0」になるとされている。リリース日は2020年10月4日が予定されている(参考: PEP 619 -- Python 3.10 Release Schedule | Python.org)。