NTTデータの海外グループ会社のNTT DATA Servicesは、現在1000以上の医療機関に提供している「Nucleus for Unified Clinical Architecture(ニュークリアス フォー ユニファイド クリニカル アーキテクチャ、Nucleus for UCA)」に、新型コロナウイルスの診断をサポートする画像診断AIの開発や検証に必要なさまざまな学習データを集約・提供する新型コロナウイルスデータレポジトリーを追加したほか、8月から医療機関や画像診断AIの開発者などに学習用データを無償で提供していると明らかにした。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大により、ひっ迫する医療現場において医療画像データをもとに医師の診断をサポートする動きが広がっており、世界中の研究者がAIを用いて新型コロナウイルスを検出するための研究・開発を行っている。
新型コロナウイルスを検出するためのAIエンジンを開発するためには、膨大な量の匿名化された質の良い医療画像データをAIに学習させることが必要だが、学習に必要な医療画像データとそれに付随する画像における新型コロナウイルスの所見情報が不足しているという。
このような課題に対応するため、NTT DATA Servicesでは医療画像データアーカイブソリューションであるNucleus for UCAに、新型コロナウイルスの医療画像データ専用となるレポジトリーを追加。新型コロナウイルスの画像診断AIを開発している研究者へ学習用データを無償提供することで、精度の高い画像診断AIの開発に貢献する。
Nucleus for UCAは、医療機関などから提供された新型コロナウイルスも含むさまざまな病気の匿名化済み医療画像データをもとに、医療画像診断AIの開発に適した高品質な医療画像データおよび検証に必要なさまざまな情報を集約・提供する。
新型コロナウイルスデータレポジトリーには、NTT DATA Servicesと契約したパートナー病院などがアップロードすることで提供される新型コロナウイルスのデータを格納。そのデータにNTT DATA Servicesが収集した医療画像データを用いて学習させたアルゴリズムなどを活用してアノテーションを付与し、医療画像AI開発に適した高品質なデータを作成する。医療機関や画像診断AIの開発者などのデータ利用者は、レポジトリーにアクセスすることで医療画像AI開発に適した高品質な医療画像データの活用を可能としている。
NTTデータは新型コロナウイルスの撲滅を支援するため、今後も医療機関向けのソリューションの開発や機能拡充などに取り組む方針だ。