東日本電信電話(NTT東日本)は10月5日、イー・コミュニケーションズと資格・検定試験のオンライン化において替え玉受験やカンニングなどを防止する「クラウドAIを用いた挙動検知機能」を共同開発したと発表した。新機能を使用し、ニューノーマルに対応した資格・検定試験の推進を図っていく。

  • 挙動検知までの流れ

  • 挙動検知の仕組み

NTT東日本は、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響でオンライン形式の試験が増加しており、そのニーズは一過性のものではなく、ニューノーマル時代の新たな試験のあり方になると想定している。

一方で、オンライン試験では受験者を監視できず、替え玉受験やカンニングなどの不正行為を把握できないといった課題があるという。

こうした背景から、NTT東日本はイー・コミュニケーションズと連携し、集合形式の試験と変わらないオンライン試験の運用ができるよう、AI(人工知能)が人の目線や動きから自動解析し不正の疑いがある動きを検知するという同機能を共同開発した。

同機能の開発にあたり、イー・コミュニケーションズの実績を用いて試験不正時における人間の動きの特徴を学習させることで、不正の疑いがある動きを検知し該当箇所だけの確認者への通知により、確認者の作業時間を短縮できるというAIモデルを構築したという。

AIでは、試験開始後に受験者を交代する替え玉受験、複数人での受験、カンニングペーパーの使用、電話などを使った他人からのアドバイスといった、不正の疑いがある動きの検知が可能。

NTT東日本は、社内資格試験を自宅からでも受験できる新たな試験スタイルを検討しており、同機能と自社のeラーニングプラットフォームである「ひかりクラウドスマートスタディ」を使用した試験システムを構築していく方針だ。

同社には年間約1.3万人の社内資格試験の受験者がおり、21拠点の受験会場で受験を実施している。試験をオンライン化することで、社員の移動時間の削減による業務効率化や交通費削減効果が期待できるとのことだ。

  • Remote Testing AIアナリスト(仮称)のサービス概要

イー・コミュニケーションズが提供する「Remote Testing AIアナリスト」(仮称)は、AIで受験中の録画動画を自動監視・解析し厳正厳格な試験を実現するというサービスであり、10月5日に事前予約受付を開始した。

同サービスでは、NTT東日本が販売を請け負うAmazon Web Services (AWS)の環境を使用し、導入から運用までをトータルサポートするという「クラウド導入・運用サービス」で構築を実施している。