東芝デジタルソリューションズは10月5日、チャットボットの導入・運用負荷を軽減するシナリオレス型AIチャットボットサービス「コメンドリ」の提供を開始すると発表した。

近年、問い合わせなどの定型業務効率化ツールとしてチャットボットの導入がさまざまな企業で進んでいるが、チャットボットの種類は主に「シナリオ型(ルールベース型)」と「一問一答型」の2種類がある。

「シナリオ型」のチャットボットは、問い合わせ内容が定型化されている場合に有効であるが、チャットボット構築のためのシナリオ作成や登録に多くの時間を費やす必要があるという課題がある。一方で「一問一答型」のチャットボットは、一問一答のFAQ集を用意するだけで幅広い問い合わせに対応可能だが、「言い換え表現のメンテナンスに負荷がかかる」「検索結果が0件になるため使われなくなる」といった課題が存在している。

今回提供を開始する同サービスでは、FAQ集をエンジンへ投入するだけで、重要キーワードを学習し、シナリオレスで自動的に対話を行う。FAQ集の更新時も、再度投入するだけで自動的に再学習する。

また、従来の「一問一答型」チャットボットで必要であった、言い換え辞書や言い換え表現の登録が不要で、AIを用いて言い換え理解を行い検索する。

さらに、検索結果を絞り込むため、FAQの重要度の高いサジェストキーワードを利用し、「○○ですか?○○ですか?」のような対話で聞き出すことにより、ユーザーが知りたい回答へ誘導し、高い検索ヒット率を実現するとしている。

同サービスの利用画面と手順は以下の通り。

  • 1.質問文を入力する

  • 2.FAQ集から質問に対して重要度の高いキーワードを自動的に生成し、サジェストキーワードとして表示される

  • 3.手順2のさらなる絞り込み

  • 4.2回目に選択したサジェストキーワードから1件が該当したため、内容を確認

同社は今後、スマホ対応や有人チャット連携、分析アナライザーなど、現場課題のスピーディな問題解決および問い合わせ対応業務の効率化に向けた真の問題解決を目指し、機能の拡充を進める方針だ。