半導体市場動向調査会社である仏Yole Développementは小口径ウェハ(シリコンおよび非シリコンの150mmウェハ以下)の市場は2019年から2025年にかけて金額ベースで年平均1.8%で成長し、2025年には54億ドルに達するとの予測を発表した。2019年の小口径ウェハの出荷枚数は、全ウェハ出荷枚数の63%を占めており、2025年になっても53%を占めるとも予測している。
2019年の小口径ウェハの市場規模は48億ドルで、シリコンが約半数の22億ドル、次いでサファイアが16億ドル、以降LT/LN(LiTaO3/LiNbO3)が4億ドル、GaAsが3億ドル、SiCが2億ドル、InPが1億ドルとなっている。2025年までの年平均成長率は、Siのみ3.3%のマイナス成長となっているが、それ以外の非シリコン系はいずれもプラス成長が予想されている。もっとも成長率が高いのはSiCの19.5%で、次いでInPの14.4%、GaAsの8%、LT/LNの3.9%、サファイヤの1.1%となっている。
半導体製造装置市場は、最先端の300mmウェハ装置が主流だが、これと並行して、活気があるのが小口径ウエハ用中古・リファビッシュ製造装置市場である。
標準のパワーIGBTおよびMOSFETデバイスでは、150mm Siウェハに対する需要が依然としてあるが、パワーエレクトロニクス業界のRobert BoschやInfineon Technologiesなどは新しい300mmファブでの製造を進めることで、市場で優位なポジションに居られることを主張している。SiCウェハでも同様の傾向が見られ、一部の主要企業は、150mm(100mm)のウェハ処理能力を残しつつも200mmへ移行してシェアを高めようとしている。
世界中の主な小口径向け新品あるいは中古品半導体製造装置サプライヤの中で、日本企業としては、ニューフレアテクノロジー、アルバック、東京エレクトロン、SCREEN、アドバンテスト、ニコン。キヤノンのほか、リファビッシュ装置サプライヤとしてインターテック、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、日立の名が挙がっている。