NTTドコモは10月1日、同社のクラウド基盤と海外の5Gネットワークを結ぶプラットフォーム「5Gクロスボーダー基盤(5G X-Border Platform)」を構築したと発表した。同プラットフォームは同社のネットワーク内に設置したクラウド基盤である「ドコモオープンイノベーションクラウド」と海外オペレーターの5Gネットワーク網を、専用ネットワークを経由して直接接続することで、オープンインターネットから遮断した国際閉域通信を実現する。

  • 5Gクロスボーダー基盤のサービスイメージ

新プラットフォームを使用して、まずは日本からタイの作業現場に対し作業指示を出せる国際遠隔作業支援ソリューションである「グローバル向け AceReal」のプレサービスを、法人向けに10月15日から期間限定で提供する。

新ソリューションにより、国際間でも作業現場を遠隔から支援することが可能になる。タイにいる作業者はARスマートグラスを装着し、作業現場の映像や音声を日本にいる支援者にリアルタイムに伝送する。日本にいる支援者は受信した映像や音声を基に、タイにいる作業者が必要とするマニュアルや作業指示を書いた現場画像などをARスマートグラス上に表示させ、音声に加えて視覚的にも作業指示ができる。

新ソリューションは、主に製造業における製品の保守メンテナンス業務や、電気・ガスなどインフラ業における設備点検業務などに使用可能だ。

  • 国際遠隔作業支援のイメージ

現在、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大による出入国制限などにより、国際間の企業活動が深刻な影響を受けている。同社は、タイに拠点を持つ日系製造業約1400社の法人を中心に同ソリューションを利用してもらい、日本からの遠隔での作業支援やスキル伝達を通じて、円滑な企業活動を行えるようサポートしていく。

なお同社は、同プラットフォームに対応する5Gソリューションや対応拠点を順次拡大していくとのことだ。