NECと東京医科歯科大学は10月1日、ヘルスケア領域における新たなサービス事業の創出・推進に関する連携協定を締結すると発表した。同協定により両者は今後、疼痛・再発予防を含む疾病予防等のヘルスケア領域における新たな予防・健康管理サービス事業の高度化を図るため、臨床研究を含む研究開発、人材育成、サービス内容の開発・提供などの連携を推進するとしている
近年の高齢社会の進展に伴い健康寿命延伸への関心が高まっており、「病気になったら治す」のみならず「病気にならない」ことに対しても医療がその科学的知見・ノウハウを駆使することが重要だ。
一方、現状の予防・健康管理サービスは必ずしも医学的知見に基づいたサービスばかりではなく、また、医療機関と十分な情報連携を行っていないケースもあるといった課題が存在している。
これらの課題を受け両者は、医療機関と予防・健康管理サービスの新たな連携モデルを模索するとともに、NECの先進ICTの実績・ノウハウと東京医科歯科大学の医学的知見を組み合わせることで、予防・健康管理サービスの質向上に資する技術を開発することを目指すとしている。
同協定により開始する共同研究においては、整形リハビリテーションに関して、医療従事者の暗黙知を共有可能にする技術を開発することで、医療従事者間のスキルの高位平準化を目指す。
さらに、昨今の新型コロナウィルスの感染症拡大に伴い、人と人との接触機会を抑える必要がある場面にも対応できるよう、非対面サービスの提供に必要な技術についても研究を行い、これらの研究成果を新たな予防・健康管理サービスの創出に活用する方針だ。
なお今回、NECオープンラボラトリーを2020年10月に同大学内に開設し、各種共同研究をはじめ、予防・健康管理サービス事業の検討促進を図るとのことだ。