ソフトバンクは9月30日、大阪市およびAIDOR共同体(構成:大阪産業局、i-RooBO Network Forum)と共同で、企業が5Gの技術検証や体験を行う施設「5G X LAB OSAKA(ファイブジー・クロス・ラボ・オオサカ)」を大阪市の「ソフト産業プラザTEQS」内に10月1日にオープンすると明らかにした。

5G X LAB OSAKAは、7月16日に締結した「5G関連ビジネスの創出に関する連携協定」に基づき、ソフトバンク、大阪市、AIDOR共同体の3者が官民連携で運営する5G関連ビジネスの共創を目的とした施設。

施設内には「展示・体験ルーム」と「検証ラボ」を設置しており、企業は5Gのデモンストレーションを体験できるほか、5Gを活用した製品・サービスの検証などが無償で行えるほか、5G関連ビジネスの創出を目的として開発支援やビジネスパートナーのマッチングなどのビジネスサポートも行うという。

展示・体験ルームは、約240平方メートルの空間に5Gを活用した製品・サービス約20種類(10月1日時点)を展示した、5Gの技術を体感できる新たなビジネスの発想を促進するためのスペース。

災害復旧や工事の自動化、画像検査に役立つ各種ロボットアーム、工場の遠隔作業支援、建設現場での施工検証などに使える、MR(複合現実)デバイスを活用したソリューション、車両などを遠隔地から低遅延で操縦できるシステム、ニューノーマル時代を見据えた人の密集を回避するデジタルサイネージや移動型サイネージなど、多種多様な業種別の製品・サービスを展示しており、デモンストレーションを含めて約1時間で見学・体験を可能としている。

  • 「展示・体験ルーム」

    「展示・体験ルーム」

検証ラボは試験用基地局を設置し、外部からの電場や磁場の影響を受けないように設計されたシールドテント内で、5Gや4G LTEを活用したロボットの遠隔操作の検証や、高速・大容量の機能を検証するスループット測定など、企業が持ち込んだ機器やアプリケーション(コンテンツ)の動作検証ができるほか、開発スペースを併設しており、今後はスタッフによる技術相談や開発支援を予定している。

  • 「検証ラボ」

    「検証ラボ」

ビジネスサポートとして、5G X LAB OSAKAは大阪市が設置するテクノロジービジネスの支援拠点であるソフト産業プラザTEQS内にあるため、同拠点が展開する各種支援メニューを利用することが可能。例えば、先端技術に関する講座の受講や専門家への相談が可能な「ビジネス開発プログラム」などに参加することができ、5Gを活用したビジネスを検討される場合は、同社が技術サポートを行う。

また、5Gに関する研究会やセミナーを通した技術情報の共有、実証実験のサポートなどを行うことに加え、同社や大阪産業局のネットワークなどを活用し、ビジネスパートナーのマッチングもサポート。なお、展示・体験ルームと検証ラボの利用は、法人客を対象とした完全予約制となる。

今後、3者は5G X LAB OSAKAの運営を通して、5Gの活用を検討する中小企業やスタートアップなどを支援するとともに、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を見据えつつ、大阪における5Gを活用した新たな製品・サービスの創出を目指して取り組む考えだ。