日立ソリューションズ・クリエイトは9月29日、ニューノーマル(新常態)でユーザー企業や社会が求めるデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に向けてモバイル事業を強化すると発表した。その第1弾として、営業・保守・工場など現場でのデジタル化機能を強化したというモバイルシステムプラットフォームである「快作モバイル+ Ver.3」を販売開始した。価格は、100ユーザーの場合で266万円(税別)、出荷開始日は11月2日の予定。販売目標は、モバイルソリューション事業全体として今後3年間で累計売上30億円。
今回の機能強化では、Webシステムでありながらモバイル端末が持つ多様なデバイス機能を利用可能という「デバイス連携機能(セキュアカメラ(端末内にデータを残さないカメラ)、手書き、オフライン機能など)」、業務専用のWebブラウザアプリを提供することで管理者によるセキュリティコントロールを実施できるという「セキュリティ機能」、主要OS(iOS/iPadOS/Android/Windows)をサポートする「マルチOS対応」といった標準機能に加え、モバイルDX推進のための入力支援機能を中心に強化された。
機能強化ポイントとして同社は、入力機能強化による効率化(デジタル化の推進)及び、サーバソフトウェア刷新によるユーザビリティの向上の2点を挙げる。
入力機能強化による効率化については、従来のモバイル端末のデフォルトキーボードでの入力に加え、数字キーボードやスライドバーなどのカスタム入力パーツによる入力を可能にした。また、バーコード及びQRコードの連続読み取りにも対応し、ユーザーの入力負荷の軽減を図ったとしている。
手書き入力では、従来の機能に加え、図形(四角形や丸など)、スタンプ、テキスト入力などの描画に対応することで、モバイル端末での高度な図編集が可能。また、iPadOS版アプリではApple Pencilに対応し、筆圧、傾き、角度を認識することで、さらに精緻な手書き画像や署名の描画ができるようになった。
ユーザビリティの向上に関しては、ユーザー情報や端末、アプリへの配信データを管理するサーバソフトウェアのUI(ユーザーインターフェース)を刷新し、ユーザビリティの向上を図ることで、ユーザー管理やアプリへのデータ配信をより一層スムーズに実施できるシステムを提供するとしている。
また、5G(第5世代移動通信システム)で見込まれる業務システムへの接続トラフィック増に向け、社外から社内業務システムへセキュアに接続するために利用する中継サーバソフトウェアも連続通信時の性能を向上させている。
なお、Windows版アプリについては、バーコード及びQRコードの連続読み取りや手書き入力など、一部機能の提供時期を2021年1月以降に予定している。