国税庁は9月28日、年末調整の控除申告書を作成するためのソフトウェア「年調ソフト」の提供を10月1日から始めると発表した。2020年分から年末調整は電子化が進む。

これまで、年末調整を行うにあたり、企業の従業員は紙ベースの控除証明書を勤務先に提出し、それを保管しておく必要があった。企業側は控除申告書のチェック、7年分の各種控除申告書の保存などが必要だった。

しかし、今年10月以降、従業員は控除証明書を電子データで取得して、そのデータを「年調ソフト」などに取り込んで提出することが可能になり、控除対象保険料額なども自動で入力され、書面の保存も不要になる。企業側は、控除申告書のチェック、控除申告書の紙形式での保存が不要になる。

  • 年末調整の電子化の概要 資料:国税庁「年末調整手続の電子化概要図」

  • 「年調ソフト」の控除額自動計算の画面 資料:国税庁「令和2年分からの年末調整の簡便化について」

「年調ソフト」には、Windows版、Mac版、Android版、iOS版がある。Windows版とMac版は国税庁のホームページからダウンロードできる(Windows版はMicrosoft Store、Mac版はMacAppStoreからもダウンロード可能)。Windows版はWindows10(64bitのみに対応、ARM社製CPUには非対応)、Mac版はOS X 10.13/10.14/10.15に対応している。

Android版「令和2年分 年末調整に係る控除申告書作成アプリ」は公式アプリストアのGoogle Play ストアから、また、iOS版「令和2年分 年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」は公式アプリストアのAppStoreからダウンロードすることができる。

令和2年分から、住宅ローン関係、株式等の取引関係、生命保険控除証明はマイナポータルと連携することが可能になる。

  • マイナポータルとの連携の概要 資料:国税庁「令和2年分からの年末調整の簡便化について」