ホットリードは、「最も購入意欲の高い見込み客」のことを言います。MA(マーケティングオートメーション)において、最近注目を浴びている用語のひとつです。

意味はシンプルですが、その定義は千差万別で時に問題をひき起こすこともあります。この記事ではホットリードの意味や定義を確認し、実際に仕事に活用していくためのヒントをご紹介しましょう。

ホットリードとは

ホットリードとは何か、その単語の意味から深掘りしていきましょう。

  • ホットリードとは

    ホットリードとは

「リード」は「見込み顧客」のこと

「リード」とは、まだ取引がないものの見込みのある顧客のことを指すマーケティング用語です。将来的に見込みのある「潜在顧客」のことであり、何らかのアクションを起こすことで取引につなげられるだろう、とされています。

コールドリードなどとの違い

リードは見込み度合いによって主に3つに分類されます。時期は未定なものの、将来的に見込み客になると予測される層を「コールドリード」。具体的な数字は人や組織によっても変わってきますが、目安として1年前後で取引に結び付くと思われる層を「ウォームリード」、数か月以内には取引につながる見込みのある層を「ホットリード」といいます。

ホットリードは営業の業務効率をアップさせる

「ホットリード」はリードの中でも見込みの度合いが高く、あと一押しで取引に繋がると考えられている層です。そのため、ホットリードにターゲットを絞って営業をすることで、成果が出やすくなります。

もちろん、ホットリードを増やすにはコールドリード、ウォームリードへの関わりも重要ですが、ホットリードを明確することで業務の効率を高めることにもつながるでしょう。

ホットリードの課題

ホットリードが注目されるようになったのはごく最近のことですが、実は定義が曖昧なこともありまだまだ課題も多く残されています。どのような課題があるのでしょうか。

  • ホットリードの課題

    ホットリードの課題

組織によって統一されていない

ホットリードは「数か月以内に取引成立となり得る見込み顧客」のことを指しますが、その定義は組織によって異なります。企業の規模や商材によっても違うので組織によって変わるのは当然ですが、場合によっては同じ社内であったとしても部署によって異なることもあります。

営業部門との食い違い

特に多く見られるのが、ホットリードの定義が統一されてないがためにマーケティング部門と営業部門とで食い違いが発生することです。定義が異なっているとマーケティング部門ではホットリードとされていても、営業部門の求める「取引成立に至る顧客」に基準が達していない、なんてことになりかねません。
そのため営業がまったく見当違いの見込み客の元へ営業をかけることになったり、再度ホットリードを分類しなおしたりするなど二度手間になってしまい、業務を効率化するどころか煩雑にしてしまうのです。

顧客リストの信頼性低下に

ホットリードは、営業の命綱ともいえる顧客リストの作成に重要な役割を果たします。しかし、ホットリードの定義自体が曖昧になり、マーケティング部門とも齟齬が生じていると、顧客リストにもバラつきが生じてくるでしょう。
当然、営業もどちらの顧客リストをもとに営業をかけるべきかわからなくなりますし、顧客リストの信頼性が低下してしまいます。

ホットリードを正しく定義するために

明確に定義することがホットリードをうまく活用するコツですが、ホットリードはそもそも組織ごとに定義が異なるのが常です。
定義の曖昧なホットリードを明確にし、組織内で正しく共有するための方法をまとめました。

  • ホットリードを正しく定義するために

    ホットリードを正しく定義するために

環境変数を洗い出し数値化する

環境変数とは企業の規模などホットリードの定義を決定づける要素のことです。ホットリードを定義するときには、大きく分けて営業組織と商材を環境変数として洗い出すのが肝要です。

営業組織に関して言えば、営業を担当できる人の数、飛び込み営業や新規開拓、ルート営業といった営業のタイプによって戦略が変わっていくでしょう。
商材に関して言えば、商材のターゲットや値段、リードタイムを環境変数として洗い出し、数値化していきます。

例えば営業組織が小さく、商材はBtoCで値段が高い、けれどもリードタイムは短いとなれば、営業に多くの人数を割くことができません。またリードタイムも短いので、より興味関心がピークにきたときを狙う必要があります。BtoC商材は対象が幅広くなるものの、値段が効果であることを踏まえるとある程度一定の収入がある人に限られるので、対象は比較的年齢の高い人になるでしょう。

情報を整理することで、組織にあわせたホットリードを定義することができ、より効率の高い営業をかけることができます。

スコアリングで数値化する

ホットリードを見つけるには、スコアリングで数値化し、誰が見てもわかるようにすることが大切です。

見込み客の行動にそれぞれ点数を設定して、合計点数でホットリードかどうかを判断できるようにします。たとえばネットショップなどの場合、トップページのリンクに飛んだら5点、問い合わせを行ったら10点、という具合に点数をまとめ、見込み客ごとに合計点数を出します。

高得点の顧客は購買意欲が高い、あともう一押しで購入に至るとされるホットリードである、と誰が見てもわかるようになるでしょう。

コールドリードを育成する

スコアリングの結果数字が低かったとしても、ホットリードではないからと営業の対象から外す必要はありません。すべての顧客が最初からホットリードであるわけではないからです。
今はコールドリードに分類されている見込み客でも、必要と思える情報を提供し続けることでホットリード化する可能性もあるでしょう。

見込み客に必要な情報を提供し、距離を縮めることを「リードナーチャリング」といいます。リードナーチャリングにはさまざまな方法があります。営業に人員を割けるのであれば、ルート営業もリードナーチャリングのひとつです。一度営業に訪れただけでは興味を持ってもらえなくとも、足繁く通うことで見込み客が必要なタイミングで必要な情報を提供できる可能性もあります。

社内ニーズを確認する

ホットリードは組織内で統一されているからこそ効果を発揮します。ホットリードを定義するときにはマーケティング部門、営業部門と一丸となって、社内でのニーズを盛り込むことを心がけましょう。

ホットリードの獲得方法

ホットリードを獲得する方法はさまざまなものがありますが、代表的なものとしてはメルマガやSNS、オウンドメディアなどが挙げられます。

メルマガの場合は、新商品のお知らせやキャンペーン情報を配信することで、ホットリードの育成につながります。SNSは、より多くのユーザーに対して発信できるので、これまでできていなかった層へのアプローチが可能になり、新たなホットリード獲得が見込めるでしょう。オウンドメディアでは、ユーザーの悩みや課題を解決するためのコンテンツを配信することで、ホットリードを獲得できる可能性があります。

ホットリードを正しく活用して業務効率アップに

ホットリードの意味や活用方法についてご紹介しました。

  • ホットリードを正しく活用して業務効率アップに

    ホットリードを正しく活用して業務効率アップに

組織全体でホットリードの定義を明確にする事で、営業やマーケティング業務の効率化をはかることができます。数値化を行ったり、認識を部署外でもこまめに共有したりことで正しく活用できるように心がけましょう。