コロナ禍で進んだコラボレーションツールの導入、重要度は増しているものの使いこなすという点では課題がありそうだ。企業向けオンラインストレージのBoxが「Collaboration in a work-from-anywhere world」として調査結果をインフォグラフィックにまとめている。
この調査は、BoxのフィードバックツールBox Plusが2020年6月に全世界のCIO、CTO、CISO約100人を対象に行ったものだ。遠隔にいながら共同作業ができるコラボレーションツールに対し、企業は必要不可欠なものとして位置付けていることがわかった。調査では、42%が「ミッションクリティカル」と回答、同様に42%が「とても重要」と位置付けている。
コラボレーションツールを導入する理由として最も多かったのは、「効率性と生産性の改善」で72%がこれを挙げた。続いて、「セキュリティと規制遵守のリスク削減」(66%)、「従業員の満足度改善」(63%)、「顧客体験の改善」(47%)、「拡張性」(44%)、「サイクル期間の短縮」(36%)、「ITインフラコストの削減」(35%)となっている。財務サービスに限定すると、59%が「顧客体験の改善」を挙げたという。
またこれらCIO、CTO、CISOたちに現在、最も懸念するリスクを尋ねたところ、以下の3つが多かったという。
1)個人のデバイスを使って企業のリソースにアクセスすること
2)安全ではないチャネルで機密データを共有すること
3)VPNを使ってリモートのデータやシステムに遠隔からアクセスすること
コラボレーションツールで重視する機能について、最も多く挙がったのは「社内と社外のコラボレーションを促進する機能」で66%。次は「ワークフローの簡素化」で、61%がこれを選んだ。「セキュリティ」は60%、中でも財務サービスの幹部が多く選んだそうだ。この他、「業務上重要なシステムにリモートからアクセスできる」(45%)、「単一の情報源としてアプリを統合」(43%)などの結果になったという。
だが、コラボレーションツールで望んでいた成果が完全(Completely)に得られているという幹部はわずか8%だった。最も多かったのは「だいたい」(Mostly)で59%、「一部」(Somewhat)は33%。コロナ禍という限られた状況下において、"ミッションクリティカル"と認められるほど重要なツールとして認識されてはいるものの、コラボレーションツールの活用の仕方という点で課題があると言えそうだ。