Lam Research(ラムリサーチ)は9月21日(米国時間)、次世代の3D NANDで求められる高アスペクト比のチップ構造を実現することを可能としたALDプラットフォーム「Striker FE」を発表した。
従来、半導体製造における深く刻み込んだ溝を絶縁膜で埋め込むギャップフィル技術としては、CVDや拡散/熱処理炉、スピンといったレガシー工程が用いられてきたが、これらの手法では、品質、収縮、ギャップフィルのボイド間のトレードオフが足かせとなり、次世代の3D NANDの要件を満たすことは難しかった。同社は、そうした課題の解決を目指し、新たに独自の表面改質技術を利用し、ALD固有の膜質を保持しながら、優先事項であるボトムアップ、およびボイドフリーのギャップフィルを実現可能とした「Striker ICEFill技術」を開発し、Striker FEに搭載したという。
同技術は、3D NANDで求められる高アスペクト比構造の実現というニーズのみならず、次世代のDRAMやロジックプロセスにおける課題の解決も図ることができると同社では説明している。
なお、同社では、Striker FEについて、クアッドステーションモジュール構造を採用することで、単一のプロセスシステムにおいて、高品質の酸化膜を形成する能力と優れたギャップフィル性能を組み合わせたプラットフォームであり、これを活用することで、複雑化する次世代半導体プロセスにおいても、高い生産性を実現することが可能になるとコメントしている。