東芝デジタルソリューションズは9月25日、大規模な組合せ最適化問題を高速に解くソフトウェア「シミュレーテッド分岐マシン(Simulated Bifurcation Machine:SBM)」を活用するパートナーが、エンドユーザと実証実験が行える「SBM有償PoC対応版サービス」の提供を開始したことを発表した。
同社は2019年7月から、AWS Marketplace上で「シミュレーテッド分岐マシン」をPoC(概念検証)版として無償公開しており、利用可能な範囲を利用者の社内利用に限定していたが、「研究フェーズの次の段階としてビジネスユースへ向けた自社ソフトウェアやサービスへSBMを組み込み、エンドユーザとの実問題によるPoC実施や検証を行いたい」という要望があり、今回「SBM有償PoC対応版サービス」をパートナー向けに提供開始したという。
同サービスでは、パートナーが自社のソフトウェアやサービスにSBMを組み込み、エンドユーザとともに具体的な社会課題や企業が抱える課題を組合せ最適化の実問題として解く、有償の実証実験が実施可能になるとしている。
同サービスで提供するイジングソルバーのスペックは、SBMの特性を生かし、最大100,000変数のイジング問題に対応でき、無償公開のPoC版と比べて約10倍の問題規模を取り扱えるとしている。加えて、新たに開発した解くべき組合せ最適化問題の用途に特化したソルバーを同時に提供するという。
なお、東芝デジタルソリューションズはこのサービスの提供開始に合わせて、グルーヴノーツと同サービスの使用契約を締結した。グルーヴノーツは現在、ビッグデータとAI、量子コンピュータ活用までを一気通貫で実現するクラウドプラットフォーム「MAGELLAN BLOCKS」へ新たにSBMを追加し、エンドユーザの抱える課題解決に向けて、組合せ最適化問題の実問題を解く価値実証に取り組んでいるということだ。