義務教育を受ける児童に1人1台端末を与えることを目指す「GIGAスクール構想」により、教育現場ではネット環境構築やタブレットPCの導入に追われている。IT企業もその追い風を受け、さまざまなタブレットPCの発表をしている。
そこで、どのような新しいタブレットPCが発表されているのか調査するため、千葉の幕張メッセで9月16日~18日の間開催されている「教育ITソリューションEXPO 2020」に訪れてみると、一風変わった面白いタブレットPCと出会った。
それは、教育向けコンピュータを手がける英Kanoが開発したタブレットPC「Kano PC」。リンクスインターナショナルは2020年8月7日、Kanoと国内総代理店店契約を締結し、8月22日より国内での販売を開始している。
「Kano PC」は小学校低学年からの活用を想定したタブレットPC。最大の特徴はパソコンの本体を組み立てから始まる点だ。
開封時点では、内蔵されるバッテリーとスピーカー、タブレット画面、キーボードは分離された状態。付属のガイドに従って組み立てる。
子供が自分自身で組み立てることによって、パソコンの構造が把握でき、基本的な内容の理解につながるとしている。
また搭載しているOSは、Windows 10 Proであり、さまざまな教育アプリケーションを利用することができるほか、耐久性にも優れており、タブレット本体は100㎝の落下にも耐えられることが確認されているという。
さらに「Kano PC」は、コンピュータの仕組みをアニメーションやミニゲームで学べる「How Computers Work」や、解説をもとにミッションをクリアしてプログラミングを学ぶ「Kano Code(ブロック式プログラミング)」、「Make Art(コード式プログラミング)」といった学習アプリがインストールされている。
また近日発売予定のGIGAスクールモデルには、タブレットPC本体以外に、マクロレンズとライト内臓のWebカメラ、タブレット同様に分解可能なマウスやヘッドセット、といったアクセサリがセットで提供される。
パソコン本体の構造・基本的内容理解や分かりやすくて実践的なプログラミング学習ができる「Kano PC」は、PCなどの根本的な理解が必要な小学生へのタブレットPC導入には適しているのではないかと感じた。