Appleは9月16日(米国時間)、iPad向けオペレーティングシステムであるiPadOSの最新版となる「iPadOS 14」の配信を開始した。iPadOS 14にはApple Pencilで手書きした文字をテキストとして入力する「スクリブル」という機能が追加されたほか、macOSアプリのようにより多くの操作を1つの画面でこなせるようにUI/UXの変更、iOS 14で導入されたものと同じ新機能の追加などが行われている。

iPadOS 14に追加された新機能や主な変更点は次のとおり。

  • Apple Pencilでテキストフィールドに書いた文字を自動的にキーボード入力に変換する「スクリブル」を導入（英語と簡体字中国語と繁体字中国語に対応し、日本語は未対応。文字の選択、削除、挿入、結合などは言語に関係なくApple Pencilで操作可能）
  • Apple Pencilを使ったメモ機能を強化（手書き文字と描画を区別してテキスト選択、手書きメモをテキストに変換、電話番号やメールアドレスなどの手書き情報を操作可能、図形を認識し線や円弧などの図形描画が可能）
  • 画面遷移することなく多くの操作がこなせるように新しいAppのサイドバー、ツールバー、ポップオーバー、フルダウンメニューを導入
  • 新しいウィジェットの導入（大・中・小サイズ選択可能、スタックウィジェット、スマートスタック）
  • デフォルトのWebブラウザおよびメールアプリを設定する機能を追加
  • マップを改善（自転車の経路案内を改善、電気自動車経路の改善、渋滞区域表示の導入、速度取締カメラや信号無視抑止システムに対する通知、位置情報の精密化）
  • 日本語のかなキーボードを数字を簡単に入力できるように再設計
  • メモアプリのスキャン機能向上と線や円弧などの図形描画機能の向上
  • ファイルや機能に素早くアクセスできるようにコントロールをサイドバーとツールバーに等号
  • APFS暗号化を使った外付けドライブに対応
  • カメラ関連機能の向上。
  • Apple PencilでURLを入力しているサンプル

    Apple PencilでURLを入力しているサンプル

  • 自動的にテキストに変換され入力される

    自動的にテキストに変換され入力される

  • 設定アプリにはスクリブルを試すためのダイアログが用意されている

    設定アプリにはスクリブルを試すためのダイアログが用意されている

  • 新しいウィジェットを使っているようす

    新しいウィジェットを使っているようす

iPadOS 14が対応するデバイスは次のとおり。

  • 12.9インチiPad Pro（第4世代）
  • 12.9インチiPad Pro（第3世代）
  • 12.9インチiPad Pro（第2世代）
  • 12.9インチiPad Pro（第1世代）
  • 11インチiPad Pro（第2世代）
  • 11インチiPad Pro（第1世代）
  • 10.5インチiPad Pro
  • 9.7インチiPad Pro
  • iPad Air（第4世代）
  • iPad Air（第3世代）
  • iPad Air 2
  • iPad（第8世代）
  • iPad（第7世代）
  • iPad（第6世代）
  • iPad（第5世代）
  • iPad mini（第5世代）
  • iPad mini 4

iPadOS 14にはApple Pencilでテキスト入力を行うための「スクリブル」が追加されたが、今のところ英語と中国語の入力にのみ対応している。しかし、すでに入力された文字列の編集などの機能はほかの言語であってもApple Pencilで行うことができ、スクリブル機能のすべてが利用できないわけではない。Apple Pencilを使うことで、これまで手では操作が難しかった文字の選択や削除、挿入の作業が簡単に行える。

スクリブルで日本語による入力はできないが、これまでApple Pencilから手を離してソフトウェアキーボードなどから文字の入力や削除が必要だったシーンでApple Pencilが使用できるシーンが増えることになる。これまでよりもApple Pencilのみを使った操作を続けることができるようになり、Apple Pencilベースのシームレスな操作を実現しやすくなる。